私は幼い頃から風船が大好きだ。風船と言っても色々な種類がある。紐が付いているもの、ヨーヨー風船、水風船……。基本、どれも好きだ。

子供の頃、夏祭り等の縁日でヨーヨー釣りを見つけた時、それはそれは嬉しくてたまらなかった。ヨーヨー釣りが一番好きで、二番目に好きなのは金魚すくいだった。

水槽に浮かべられた色とりどりのヨーヨー。それを見ているだけで胸がいっぱいになる。ヨーヨー一つ一つ、微妙に大きさが違えば、入っている水の量も違う。いつも私は大きくて水が少ないヨーヨーを狙うようにして取っていた。真ん丸ではなく、ひょうたんのような形のヨーヨーだ。水が少ない方が軽くて、取りやすいと子供ながらに分析していた。特に、色が透明のヨーヨーは中に入っている水が透けてなんとも涼しげでおしゃれに感じられた。ヨーヨー釣りを楽しんだ後、いつもヨーヨーを持ち帰っていた。家に持ち帰った後もしばらくの期間、楽しんでいた。寿命が短いというのもはかなくて、その魅力がより一層感じられた。

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現代では夏祭りだけでなく、時折、商業施設の縁日イベントでもヨーヨー釣りを見かけることがある。商業施設にショッピングに行った時、ヨーヨー釣りのコーナーが出ているのを知ると良いなあと思う。やれるものならやりたい気持ちだ。

実際にヨーヨー釣りのコーナーに行っていないので何とも言えないが年齢制限がない限り、本来は自由であるはずだ。しかし、なぜか躊躇してしまう。大人となった今、子供に囲まれて堂々とヨーヨー釣りをするのはなんとなく恥ずかしいものである。

そこで私が考えたのは、自宅でヨーヨーを作るということだ。インターネットで調べると、どうやらお店で手軽に買うことができるらしい。私は早速、買いに行った。

商品の説明通りに、水を入れたポンプで風船を膨らませ、輪ゴムをかけて縛ろうとするが、なかなか難しく、思うようにできない。私が四苦八苦していると、母も興味を持って、参加してきた。私はこういう手先を使うような作業が苦手なので、手先が器用な母がいてくれると頼もしい。

商品の説明書によれば、本来一人で作れるそうだが、私達はいつのまにか二人体制で行っていた。縛るのが上手くいかず、縛れたと思ってもすぐにしぼんでしまう。

ヨーヨーがしぼんだ時、水が勢いよく噴き出し、母の顔に直撃した時は大笑いだった。あたり一面、テーブルや床に水が飛び散っていた。こんなにも大人二人で無邪気になって楽しむなんて、いつ以来だろうと思い、なんだか嬉しかった。

その後、何度か試行錯誤した末、ついに無事完成した。昔懐かしいヨーヨー。割れるのが怖くてあまり大きく膨らませることができなかったけれど、十分満足だった。心に残る我が家のひそかな夏祭りだった。

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ここで、冒頭に「水風船」というワードが出たので、私のペンネームの由来について少し書きたいと思う。本来は異なるペンネームを考えていたが、他の方と重複していたため、最終的に「水風船」となった。

では、なぜ、水風船なのか。元はと言えば、私はヨーヨーがものすごく好きだ。特に夏になると恋しくなる。それで、自宅で作ることになったのだが、私は自身のペンネームを「ヨーヨー」とするのは何となく締まりがないと感じたのと、風船ではない方のヨーヨーを認識するケースもあると考えたので、「水風船」と命名することにした。

しかし、よくよく考えると、ヨーヨーのことを水風船と呼ぶのか疑問を持ち始めた。インターネットで調べると、水風船は水を入れて風船を膨らませ、それを地面等に投げつけて、楽しむタイプのものがよく出てくる。私も子供のころ、その水風船を楽しんだことがあったので、よく覚えている。

私のペンネーム「水風船」を見て、「ヨーヨー」を頭に浮かべている人はいないかもしれない。しかし、心配は無用。いずれにしても、風船が好きなことに変わりはないから。