私は今迷っている。

現職のスキルを生かせるお金になりそうな資格取得に乗り出すか、現職とは無関係で何なら苦労して取得したところで働き口を見つけるのも難しくて、お金にならなさそうだが興味深い資格取得に乗り出すかで。

どちらも取得までに、ボーナスが吹っ飛ぶくらいの費用がかかり、取得まで数年の時間を要し、その間仕事の合間をぬってテキストとにらめっこしなくてはならない。どちらもなかなかヘビーな資格だ。

◎          ◎

ここまで迷いが具体化したのはほんの数ヶ月だが、この二択の根源たる「自分のやりたいこと、なりたいものって何だろう」という問いとは、進路を本格的に考え始めた高校生からの付き合いだ。

この問いに対する答えは、16歳の頃からぼやけたまま、私はもうすぐ30歳を迎える。

それは私が、仕事に対して求めるものが多いからなのかもしれない。
やりがい、柔軟さ、働きやすさ、人間関係、将来性、安定性、社会からどう見られるか、自分の今までの頑張りに見合うものか。
私はきっと欲張りなのだろう。

そして、考えて、考えて、ずっと考えていると、一周回って、仕事ってそんな大したことなのかとも思えてきた。

◎          ◎

将来自分が仕事から離れ、いわゆる余生に突入したときに、現役時代何の仕事をしていたかなんて、学生時代部活何してたかくらいのことじゃないかって。

学生生活の最中は、部活は生活の半分くらいを占めていて、なんなら何部にいるかで学内の立ち位置まで変わってきて、多大なる影響力を持っていたように思う。

でも、社会人となった今はどうだろう。
「バスケ部だったんですよ」「ぽいわ〜」くらいで会話終了。
話のネタに過ぎない。その人の現在の立ち位置に、何部に属していたかなんて、何ら影響しない。

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最中にいるときは、それが全てみたいに思えてしまうけれど、終えてしまえばどんなことも過去の出来事になる。それは今現在、日々の大半を占めている仕事だろうと、同じなのかもしれない。

何事もやろうと思えば、自分次第で何歳になってもやれると思う。
けれど同時に、その時だからできる事もあると思う。
部活でいえば、あの特有の熱さをもって、仲間と一緒に同じ一つのものに打ち込む経験は、学生時代だからこそ得られたものだと思う。最中にいるときは、それに気づくことはできなかったが。

仕事に関しても、20代だから経験できることってあるんじゃないかと思う。
最中にいる今、それが何かと気づくのは、部活と同じできっと難しい。
でも、部活と同じで仕事とも、目の前のことに真正面からぶつかって向き合っていれば、後から必ず気づきはやってくるんじゃないかと思う。

まだまだ、私の迷いは続く。
けれど、真正面からぶつかる。
このことを忘れなければ、いつかこのぼやけた視界が晴れる日が来るんじゃないかと思う。