今の時代、20代はふわふわした存在になりがちだと思う。

もう年齢としては大人だけれど、社会に属してしまえばまだまだ新人で子供だ。20代最初のうち、新卒のうちは失敗しても「まだ若いからね」「これからだよ」と言ってもらえる。でも、歳を重ねるうちに許されなくなっていく。後輩も増えていく。

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歳をとってとって、とりまくった後の失敗は「もう歳だからね」と言ってもらえる。その年代に行くまでは許されない。そんなプレッシャーがあると思う。そんなものを感じているのは私だけかもしれないけれど。

20代半ば、新卒から数年経った25歳以降の自分がどうなっているのか少し怖い。

怖いけれど、焦る必要はない。そう自分に言い聞かせて、ひっそりと丁寧に生きている20代前半の今。

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20代で結婚?出産?そんな女性に押し付けられた価値観がだんだん崩されてきた。

結婚も出産も強制されないけれど、私は自分の意思で結婚も出産もしたいと考えている。できるだけ20代で。

私は医療系の学校に行き、現在は教員として働いている。様々な人を見る中で、ADHDや何かしらの障害を抱えている子供の親の多くは高齢だという事例を、医療での講義で学んだ。そして実際に世間の過半数の同年代が簡単にできることができない子供達をたくさんみてきた。そしてその親が何かしら抱えている人が多い、または明らかに高齢な人が多いことも実際に見てきた。

同時に、家庭にお金がなくて不自由な思いをしている子供達も多く見てきた。

私は子供がとても欲しいけれど、それは私のわがままである。そのわがままに付き合わせてしまうのだから、生まれてくるこどもができるだけハンデを背負わない確率が高い若いうちに産みたい。でもだからと言って貯金もないのに産んで、子供がやりたいことを制限するような親にはなりたくない。

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20代のうちに、私は土台を作りたいと思う。

土台、それはこの先自分が生きていける分のお金と、持つかもしれない家庭の分のお金を稼ぐ能力を育てること。

今は子供も産みたいし、結婚もしたいけれど、この先どうなるかはまだ誰にもわからない。でも自分が得た能力や財産は全部無駄にはならず、全て私の人生のためになるだろう。

20代はお酒も飲めるしタバコも吸える。健康のためにタバコは吸うつもりはこれからもないけれど、お酒は嗜む程度には。18歳から成人になって、20代はもう完ペキに大人だ。もう言い逃れもできないし、誰も責任をとってくれない。でも、30、40代そしてその上の「大人の先輩」からしたら、私なんてまだまだこどもなんだろう。

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小学生の時、中学生はとっても大人っぽく見えた。自分が中学生になったら、中学生なんてまだまだ子供で、高校生の先輩たちがカッコよく見えた。自分が高校生になった時、自分より1つ、2つ上の先輩たちはすごく大人に見えたのに、同じ制服を着ていても自分たちはまだまだ先輩に比べたら幼いな、先輩ってだけで同級生よりカッコよく見えるなんて感じていた。

社会的にも法律的にも、世間の目からしても大人になった私たち。でもまだまだ、おとな低学年だ。

まだ入学したての1年生みたいにふわふわした気持ちで生きているけれど、ふわふわしているなりに理想の大人たち、自分の理想の自分に近づけるようにふわふわ軽やかに、でも着実に努力を重ねる。

人生のゴールをお城の完成だとしたら、私は20代のうちに石垣、土台と骨組みまでは終わらせておきたい。