自分の生理痛はどの程度なのか知りたいと思うことが何度かある。
程度のチェックシートを見てみると、「仕事や学校に支障が出る程度か」、「薬の服用はあるか」という項目があった。私の答えはどちらも「いいえ」だった。

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私は今、大学3年生で就活を始めながらバイトをしている。
幼稚園から高校までほぼ皆勤賞を取るくらい休むことがなかった私は、休むことに慣れていなかった。中学から生理が始まったが生理痛に苦しんだ記憶はほとんどなかったから生理で休むことも頭になかった。しんどいことを認識できていなかったからかもしれない。
大学生になって、生理がいつ来るかわからなくてそわそわすることが増えた。女性の在り方とは何かを大学で考えるようになって、自分自身を見つめ直したことがきっかけだったような気がする。そこで、生理管理アプリをダウンロードして使ってみた。自分の体を客観視することができた。高校の時、定期的に感情が壊れてしまっていたのは部活や思春期のストレスだけでなく、生理も影響していたのかもしれないと気づいた。

自分の体を知ることで、生活もそれに合わせるようになった。悪く言えば、生理にコントロールされるようになった。生理の一週間前になると気分の浮き沈みが激しくなると知った。そして、そこまででなくても「もう一週間前か、そろそろ気分が落ちだすかな」と思うようになった。要は、「病は気から」的なことだ。

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生理にコントロールされる大学生活では、生理になると精神的に病んでしまうことが多くなり、そのストレスで心臓がしんどくなることが多くなった。しかし、授業やバイトを休むほどではない軽度なものだと思い休まなかった。何度か体調不良でバイトを休むと当日に連絡をすることもあった。「生理になってしんどいので」と言ったのは一度だけで急に連絡をした私が悪いが、急な連絡では困ると言われて精神を保てなくなりそうだった。せめて「お大事に」の一言があれば心安らかだったのにと思ったが自分勝手だ。生理が来そうなのはわかっていたことだった。でも、休むのに抵抗があった私にとって「こんなことで休んでいいのか」という葛藤でなかなか連絡ができなかったのだ。「生理になって」と正直に言うのも躊躇っていた。相手が男性だったからだ。

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就職して生理休暇が認められる企業に入っても私は休暇を取ることができるのだろうか。
「こんなことで休んでいいのか」という葛藤の中には、自分の生理痛は他の女性に比べてたいしたことないから、私よりもしんどい人がいるのに休んでいいのかという気持ちもある。
他の女性と話すと、吐きそうなくらい辛い、薬が手放せない、死にそうになる程病んでしまうと聞くことが多い。それを聞くと自分の生理痛はたいしたことないのだと思って、相談することができない。
精神的にしんどいし、だるくてやることができなくて泣くことも多い。冷房の効いた電車内がしんどいし、暑すぎる外には出たくない。立ちくらみも何度もある。人とうまく話せない。予定を決めることもしんどい。頭が働かない。
それでも、自分の生理痛は他と比べるとたいしたことないのだ。

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「生理」を理由に休むことが当たり前になると、それを使ってズル休みをする人もいるのだろう。もし、自分が生理を理由に休暇を取ったら「たいして辛くもないのに」とズル休み扱いされるのではないか。一緒に働く男性からだけでなく、女性からもそう思われるのではないかと不安になる。
誰かと比較をして自分の生理を下に見る。そんなことが起きない、自分がしんどいと思ったら生理を理由に休める社会になってほしい。
学校でも「あの子生理なんだって」と言われていることを気にせずに、休めるようになってほしい。公欠扱いしてもいいレベルだと私は考える。