私はどんな働き方がしたいのだろう。つい最近、自分の働き方について考えてみた。1つの仕事に集中し、職人のように働くのが良いか、仕事を転々として経験する職種を増やすのが良いか。年齢やライフステージとも重ねて、自分の将来を案じた。出てきた答えは、いくつかの仕事を同時並行的に行うことだった。文字だけ見ればとてもバイタリティあふれる人のように思えるかもれないが、実際は違う。収入は変わらないが、している仕事の数は多いという状況だ。仕事は1つでなくてよい。最近、そんな考えが頭をよぎった。

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これまでは、資格を持っていることもあり、ずっと資格を生かした仕事をしていくのだと思っていた。資格を使わない仕事を考えても、行き着く先は結局今の仕事への興味だった。ならば興味のある今の仕事を続ければよいのではないか、と思うだろう。しかしそれも違う。今の働き方で、今の収入で、現状で満足しているわけではないからだ。何かを変えたいと思う時点ですでに、違和感があるのだから。私の違和感は、満足できる収入に追いつけないことだ。本業1本だけでこれまで働いてきたが、どうも収支が合わなくなった。これでは貯金なんて夢のまた夢。今後への不安よりも、今を生き抜く不安のほうが大きくなる始末だ。これではいけない、貯金ができる収入がほしい、と思ったため、一度歩みを止めてみることにした。

今の仕事は、楽しんでできている。辞めるつもりはない。ただ、今以上にシフトを増やしたり、深く関わるのも違う。今のまま、ちょうどよい距離感で関わっていきたい。しかし、現状を変えなければいけないので、他で補填する必要がある。どう補填するか、どのくらい補填すればよいのか、細かく数値化する必要があった。毎月少しでも収入を増やしたい。1万円でも貯金ができるように収支をプラスに傾けたい。働き方を今一度考えることにした。

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振り返ってみると、私は休日を持て余していると気づいた。朝はのんびり起床し、撮りためた録画や配信ドラマをみて時間を過ごす。外出も面倒に感じて、1日部屋の中だけで過ごすことも多くなった。この時間をプラスに変えられたら、満足ができるのではないか。そう思った。付随して、生活の悩みも出てきた。1日中部屋にこもっていた日は、夕方の罪悪感が強く、夜ベッドに入っても寝付けないこともあった。活動していないため、体も疲れていないのだ。さらに、食事をすればお金も減る。自宅にあるものをあさっても、どこかで購入した商品に変わりない。食べすぎて、食材の在庫を減らし、買い物が多くなるという負のスパイラルに陥り始めていた。

問題ばかりが多く出現する休日をなんとかするために、仕事をしようと考えた。本業はそのままに、影響が出ない範囲でできる仕事を探す。第一に資格を持って働けるところを探したが、条件に合う場所は見つからず。昔経験したことのあるジャンルで、スタートを切ることにした。実際に働き始めると、なんとも懐かしい気持ちになった。昔の感覚、社会人になってから働いている新鮮さ、Wワークをする楽しさ、いろんな感情が入り混じっている。

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まだ始まったばかりだが、ワクワクしている気持ちが大きいので、思ったより苦しくはない。本業とは全く違う職種で働いているので、気分転換にもなるのがメリットだ。休日の問題点解決できそうなだけでなく、毎日を計画的に過ごそうという気持ちも芽生えている。一度歩みを止めて、今の働き方を振り返ってみたのは良かった。仕事や将来の不安だけでなく、今の生活から見直せる点が多く出てきたことは大きな収穫だ。これらを解決していけば、きっと収入面も解決でき、生活も満足できる将来が期待できそうだ。長年探していた、仕事と時間の有効活用に新しい光を見いだせた気がする。これくらい仕事をしていたほうが、私は楽しいらしい。

歩みを止めるのは、決してマイナスな決断をするときだけではない。今回は、ひどく思い悩んでいたというより、より良くするための解決策を探る一時停止のようなものだった。以前、全力疾走を止めたこともある。苦しかった当時、何としてでも逃げ出したかった。今回歩みを止めたのは、そこまで苦しいわけではない。それでも適当な時期に自分を振り返るのは必要かもしれないと感じた。これを機にやってみるのも良いだろう。