学生時代にどんなに仲が良かった友人でも、社会に出てからもそれを継続できるとは限らない。なんとなく分かってはいたことだけど、30歳を手前にしてその現実を目の当たりにしている。友人と歩む歩幅の違いに気が付き、もう追いつけそうにないと思ったら、自らその歩みを止めることが増えた。

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高校時代に仲が良かった友人は、卒業後は地元の大学に進学し、現在は中学校教員として働いている。昔から教師になりたいと言っていたので、彼女の就職が決まった時は私も嬉しくなった。一方で、私が大学院を修了し就職が決まったと報告した時、彼女はお祝いの言葉をくれた。嬉しいことを報告し合い、たまに電話をする。これからもそんな関係が続くと思っていた。

社会人になってしばらくした頃、職場の同期もおらず仕事の不安を抱えていた私は彼女に連絡をとった。職種は違えど、彼女は私の悩みを聞いてくれた。そんな優しい彼女に私は甘えてしまった。
何度目かの相談LINEを送ったある日、LINEの返事が来ていないことに気が付く。トーク画面を見ると既読になっていた。しばらくしたら応えてくれると思ったが、一向に返事が来ない。
ああ、やらかした。きっと私、うざかっただろうな。彼女は忘れっぽいところもあるけど、私にLINEを返せるほどの余裕はきっとないのだろう。彼女にも生活があるという当たり前のことに、私は気づくのが遅すぎた。

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大学時代にできた友人は、入学から卒業まで本当にお世話になった人だ。大学生活で救われたことも多々あった。社会人になってからも、電話したり家に遊びに行ったりした。一方で、彼女には恋人がいるため、ほどよい距離を保とうと思っていた。

彼女が結婚した。私は喜び、結婚祝いを贈りたいと申し出た。彼女はせっかくだし会おう、と遊びの約束を立てた。久しぶりに彼女と遊ぶので私も張り切り、おしゃれな人気のカフェを予約した。
当日。いつもの癖で私は早めに待ち合わせ時間に着いた。約束の時間になっても彼女は来ず、いつも通り少し遅れるんだろうなあと思う一方、一定時間すぎたらキャンセルになるお店だったため焦りを覚えた。数分後、「約束の時間間違えた」とLINEが来た。ああやっぱりと思いつつ、どれくらい遅れるか確認し、店員に連れが遅れる旨を伝えて彼女が来る時間まで待ちたいとお願いした。

伝えられた時間よりも遅れて彼女がやってきた。「ごめん、LINEしてからシャワー浴びてた」と彼女は言った。
その言葉を聞いて、私は怒りを覚えてしまった。時間を勘違いしたのは仕方がない。でも、その後にシャワーを浴びたってどういうこと?てっきりLINEのあとすぐに向かってくれてるんだと思ってた。せめてシャワー浴びるって伝えてほしかった。カフェの店員さんも待たせてしまったのに、なんで平気そうなの?
その後、いつも通り過ごそうと努めたが、最後まで我慢できなかった。耐えきれずに私は泣きそうになり、中途半端なタイミングで帰ってしまった。それ以降、彼女と連絡をとっていない。フォローしている彼女のSNSもミュートにした。

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社会人になったら、友人に頼りすぎたらいけないのかもしれない。友人たちにもそれぞれの人生があるのに、私はそこに割り込んでしまったのだ。勝手に歩み寄って、勝手に傷ついている自分が恥ずかしい。でも、元の関係に戻りたいと思わない。社会人の友人関係ってこういうものなのかな。

最近は、大学同期の飲み仲間からの誘いも断ってしまうことが増えた。仕事や体調などが理由だが、お会計の度に彼らとの金銭感覚の違いに戸惑ってしまうのが本音だ。この金額を毎回払うのは、私はお財布的につらい。でも、彼らはそうじゃないんだ。一緒にいるのに、遠く感じる。

友人たちには申し訳ない。でも、仕事面でも、生活面でも、体調面でも、今の私は自分のことだけで精一杯。自らの道を歩むのも苦しいのが本音だ。
だから、少し距離を置かせてほしい。またいつか一緒に笑い合える瞬間を夢見ている。