先日、行きつけのカフェの店員でひとつ年下のMちゃんから、「リサさんとご飯食べに行きたいです!」とお声がけいただき、正午に待ち合わせてランチ会をすることにした。

かかりつけのメンタルクリニックの主治医からも「あなたは人への頼り方をこれまで知らずに来ちゃったんだね」と言われたように、私は常に人を疑いながら人間関係を築いてきた。
そんな私なので、最初Mちゃんに声をかけてもらった時、「私とご飯に行きたいなんて、何か裏がある子なのではないだろうか」と警戒してしまっていた。

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いつもはカフェのカウンター越しに話すMちゃん。横並びの席につき、食事が到着するまでたわいもない話から進めた。

Mちゃんが働くカフェに通い始めて早2ヶ月が経ち、「店員さん・常連さんのお知り合いが増えたよ!」と話す私に、「リサさん、あいづちのタイミングも心地いいですし、お話お上手ですもん!」と褒めてくれるMちゃん。
彼女の言葉は、純粋にそう思ってくれているんだろうなという、おべんちゃらでは全くない素直な言葉のように感じた。

そんな素直な褒め言葉に照れていると、ランチセットが到着。
Mちゃんが醸し出すナチュラルな雰囲気が、初めてのランチと思えないくらいの居心地の良さを作ってくれた。

お互いの食べるスピードを気にすることなく、手始めに気になる恋愛トークに花を咲かせる。
話題は、「Mちゃんの彼氏くんがしてくれた誕生日サプライズがすごすぎる」という話に。

大体、恋愛トークになると男女問わずにパートナーに対する愚痴が飛び出てくるのだが、Mちゃんはそうではなかった。
かといって、のろけているわけでもなく、純粋に「彼の優しさ」を教えてくれるのだ。
久しぶりにパートナーのことを悪く言わない人に出会えて、ここ最近強まっていた「恋愛はダルいし、結婚とかメリットない」と極端に思っていた考え方も少し和らいだのが自分でも分かった。
(Mちゃんのような純粋で素直で素敵な女の子に私がなることができるかは置いておいて)

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話は盛り上がり、2軒目のカフェに行くことに。
そこのカフェはレトロな佇まいで、懐かしの「プロフィール帳」を模した、来客が自由に書いていいノートが置いてあった。

イラストレーターとしての一面もあるMちゃんに「描いて描いて!」とおねだりする私に、「楽しそう!」と快く引き受けてくれたMちゃん。

Mちゃんはノートにイラストを描きながら、「うちのカフェ、常連さんは年が離れた男性が多めじゃないですか?だから、リサさんみたいに同世代のお姉さんが来店してくれたのが嬉しくて。それで仲良くなりたくて勇気を出して、ランチをお誘いしたんです」と話してくれた。

またまた素直に紡がれた言葉に感動。
ランチに行くまで、やたらにMちゃんのことを警戒してしまっていた自分を恥じた。

帰り際、「またカフェ巡りしようね!」と声を掛け、次は私から誘うぞと心に決めた。

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この日はMちゃんのおかげで心が浄化され、「優しい」「幸せ」「好き」「仲良くなりたい」という温かなプラスの感情をもっと大切にしたいなと思えたのだから、カフェを2軒も巡ったのも相まって、お腹も心も満たされた。

理想のオフの過ごし方。
それは、「1日に予定を詰め込む」とか「あえて1日何もしない」とかではなく、ささいなやりとりの中で見出す“気付き”を蓄えるのも充実したオフの過ごし方なのかもしれない。
案外、警戒しているお誘いも行ってみると楽しかったり学びがあると思うと、心も足取りも軽くなるのではないだろうか?