私は、「疲れていても、無自覚に周りに笑顔を絶やさない人だ」といわれる。
いや、むしろ疲れている時ほど、笑顔を振りまいていると言われる。
長年、私はその自覚がなかったが、ある会社のイベントのムービーに笑顔の私がいた。その時は連勤で明らかに疲れていたのを覚えている。
でも、カメラに映る私の横顔は、明らかにひきつった笑顔だが、終始ニコニコして接客している。
満点の笑顔ではないが、笑顔で一生懸命に対応していた。
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小さい頃から、近所の人に「ニコちゃん」とあだ名をつけられるほど、ニコニコした子どもだったそうだ。
とくに、私は長女だったこともあり、親も親で待望の第一子として、私を可愛がってくれたのだろう。と、幼少期の自分の写真を見て思う。
そう周りから大事に育てられてきたのもあり、私は”そのまま”大人になった。
日中、どこにいてもニコニコしている。
「どうして、そんなにいつも明るいんですか?」
最近はインターン生にこんな風に尋ねられた。
私は、自分が明るいという自覚もない。どちらかというと、1人でいることが好きだし、ワイワイ友達を沢山欲しいという人間でもない。
それなのに、周りからは「明るい」「陽キャ」と言われるので、少し驚いたりする。
「君は笑うと、エクボができて、それがとても可愛いよ」と外国人にも言われたことがある。
自分では、笑顔でいる自覚も明るい人間である自覚もない。自然とやってしまっているのだ…。
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そんなこんなで、自覚は全くないのだが、「笑顔が素敵」「オーラが素敵」
そんな風に、会って間もない人から長年の友人にまで言われるので、どうやら、それが「私」らしい。
そんな風に、陽気で、いつもご機嫌に見られるから、私自身も仕事で疲れている時、イライラが溜まっている時、自分でどうしたらいいかわからない時がある。
あの、「いつも笑顔でご機嫌な人」という印象が周りについてしまっているから、どうしても仕事で疲れた時に、自分の想いやストレスの行き場をどうしたらいいかわからない。
たまに、限界を超えて、勝手にイライラし、それを心を許した友人に無意識に振りまいてしまうこともある。ただ、その瞬間、私はとても後悔と罪悪感で胸がいっぱいになる。
私の仕事のストレスなんて、友人には関係ないし、言葉にオブラートも包まず直接ぶちまけてしまって、友人の気分や全体のムードを悪くしてしまって申し訳ないという気持ちになる。
気の置けない友人に会ってリフレッシュしたいのと、会っても、不機嫌な態度を出してしまう自分の態度に罪悪感がたまりにたまって、友人と別れて1人での帰り道。
毎回、私は後悔と懺悔の反省会を繰り返しながら、外気で頭を冷静にし、とぼとぼと家路につく。
仕事のストレスをコントロールできない、自己消化できない私。
信頼している友人の前でだけ、見せるイライラ。
その時は、「笑顔で、オーラが綺麗な私」ではないと思う。