ようやく関係性についた名前。大晦日に届いた初々しい初恋の味

「交際の件だけど、僕でよかったら宜しくお願いします」
大晦日の朝、何度かデートしていていいなと思っていた男性から、そんなLINEが来ていた。
正直、答えはなんとなく分かってはいたけれど、改めて言葉にさて伝えられると、私はとても嬉しかったし、なんだか愛されている感じがした。
男性から、そんな風に関係性について言葉で伝えられるのが、アラサーにして初めてだったので、それで余計に嬉しかったのもある。
大晦日の日が、なんとも初々しい、初恋の味だ。
正式な”カップル”という二人の形は変われど、彼からの大晦日のそのLINEを機に、特段、二人の何かが変わったということはない。むしろ、付き合う前から何度もデートをしたり、電話もしていたので、ようやくこの関係性に正式に名前がつけられたと言った方が、ふさわしいかもしれない。
それくらい、ゆるやかで穏やかで、まるで友人同士のような男女の二人だった。
彼は特に言葉にしないけれど、きっと久々に私に会って笑顔を見たら、「かわいいな」と心の中では思ってくれているのだろうとにわかに期待して、デート前の服選びなどは気合を入れている。
そのことに彼が気付いてくれているかはわからないが、付き合った以上、女性として彼が人前で堂々と胸を張れるような素敵な女性でいたいなとは思う。
男性は時に複雑だ。
そして、時に一人で抱え込みすぎなのでは?と思ってしまうこともある。
正直、彼と出会って、交際に至るまでに一年弱かかった。
彼は、私が東京に帰るたびにデートをしてくれたし、逆に彼が九州に出張がある時も、帰りに寄って会ってくれたりした。
もちろん、彼の好意は最初から感じていた。
だが、付き合うまでに心の整理が必要だったようだ。付き合うなら、年齢的にもうお互い結婚を見据えなくてはいけないし、私の年齢や出産願望などを考えると、よっぽど好きでもない限り、気軽に「付き合おう」とは言いにくいのだと思う。
しかも、来年からは数年間、遠距離恋愛の運命なのが確定している。
「仕事と本当に両立できるのか?悲しませないのか?」など、きっと彼は、色々と自問自答したのだと思う。
そして、最後は、覚悟を決めて返事をしてくれた。
とても責任感のある人なので、私は私で、「もし付き合ったら結婚しなきゃ…とか、別れたらどうしよう…と私の年齢を気にしているなら、それは気にしないで欲しい。私も私で⚪︎君を選んでいるし、それだけは、もう仕方ないと思っているから」と覚悟を伝えた。
「(縁談)こればっかりは、ご縁ですから…焦らずに」と年末に、お世話になった大学の女性の先生に言われたこともあり、私もいつも以上に気長に”運命”を信じ、従うようになった。
カップルになったからと言って、特段、何かが変わったわけではない。
でも、明らかに私は、今後二人で生きていくことを想定して今後の人生プランを考えるようになったし、彼が望んでいるかわからないが、「味方でいたい」と思うようにもなった。
男女のカップルごっこで終わりたくない…と思っている。彼はどう考えているのか、わからないので、今後、もっと話していきたいと思っている。
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