言葉にしてよかったこと…悪かったこと…考えてはみるけど、意外と思い出せずにムズムズしていた2024年の終わり。母に聞いてみると、「悪かったことはいつまでも覚えてたって次にいけないからね、忘れて正解!」と言われた。

確かに…。なんて思ってたけど、家族で年末の特番を見ている時に、「言わなければよかったかも」な出来事が起きた。

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普段は家族と離れて大学生活を送っている私。久々に見る景色と匂いに囲まれながら、こたつに包まってテレビを眺めていた。番組では、昔の映像を振り返っていて、上皇上皇后両陛下の出会いと結婚式の様子、それに伴って日本に巻き起こったミッチーブームなどを取り上げていた。

美智子さまは本当にお綺麗だなぁとしみじみ感じていた私たちだったが、私はふと大学のある授業を思い出した。

お二人のご結婚は軽井沢のテニスコートで出会い、恋に落ちた恋愛結婚である。が、確か先生は……実際はそうではなくて、考えられたご結婚であったと言っていたな。戦後における天皇の戦争責任の影を、平成天皇には負わせたくないと、結婚のストーリーを考えて国民に親近感を持たせたのだと。

真実はどうであれ、この番組を見ていた時の私は、いまこそ、私の学校の様子を家族にアピールできるチャンスじゃん!と思った。「私はちゃんと勉強してるよ!こんなこと学んだんだよ!」と言いたくて言いたくて、つい口にしてしまった。

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「これって本当は違うらしいよ」

んえ?と言った父のぽかんとした顔が今でも思い出せる。
つらつらと授業の知識を話す私を遮って父がまた言った。

「そういうのいいよぉ、知りたくなかったのに言うなよぉ!恋愛結婚でいいの!」

やばい、しくった。

上皇上皇后両陛下のご結婚に夢とロマンを持っていたみたいだ。51歳の夢、壊しちゃったかもしれない。
私も少ししょげた。せっかくみんなに知識をシェアできると思ったのに。でも父の顔を見て、これ以上話すといいことがないと口を噤んだのだった。ごめんなさい、お父さん。言うべきじゃなかったね。

その後、帰省時の恒例イベントである、「私が今気になっているアーティストのライブ映像やダンスプラクティス動画を見せるTIME」が始まったのだが、ここでまた個人的(プチ)事件が起こったのだ。

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私が厳選した動画たちを見ている父が、いつもは「いいねぇこれ」と言ってくれる父が!
「別に他のグループと比べて勝ってるところなくない?ダンス全然揃ってないじゃん」「あのグループの真似してるんじゃないの」とそれはもうけちょんけちょんに言い放った。

私の心、1発KO。涙が出そうになった。そこまで言わなくていいじゃん…。私が好きなアーティストなのに…。いいもん、もう見せないよ。そばで母が私の味方をして父に反論してくれているが、その声も遠のくくらいにはダメージを受けた。お父さん、あなたがさっき受けた衝撃はこんな感じだったの?もしかして復讐なの?

発言のブーメランがあるなんて思いもしなかった年末の我が家。あの時あんなこと言わなければなぁ……。