対人関係が苦手な私。先生の愛のおかげで、人と関わる楽しさを知れた

私の高校時代のお話です。私は吃音症で言葉がすらすら話せず、対人関係が苦手でした。高校入学後も友達の作り方が分からず、1人でいることが多かったです。高校1年生では、冬に海外への宿泊研修がありましたが、仲良い友達もおらず不安でした。研修当日、自由時間に私が1人でいると、クラスの子が「一緒に行こう」と声をかけてくれました。それを機にその子と友達になりました。
高校2年生の時、私は体調を崩すことが多くなり、学校を休みがちになりました。しかし、学校に行くと、クラスのたくさんの子が明るく話してくれました。クラスの子と関わるうちに、人と接することが楽しいと思えるようになりました。
高校3年生の時は、体調が安定してほぼ毎日学校に行けるようになりました。たくさんの子が私に話しかけてくれたり、受験の前にクラスの子から「頑張ってね!」とメッセージ付きにお菓子をもらいました。今までそのようなプレゼントをもらったことがなかったので、とても嬉しかったです。
あとになって友達から話を聞くと、高1の海外研修の時、担任の先生が友達に「(私と)一緒に行動してあげてね!」と伝えてくれていたこと、高2の副担任の先生が、私が高2と高3の時にクラスの子に「(私に)話しかけてあげて!」と声をかけてくださったことを知りました。
そのことを知り、とても胸が熱くなり、先生方に感謝の気持ちを伝えたいと卒業式の日に先生にメッセージを書いて渡しました。先生は泣いて喜んでくれ、とても嬉しかったです。人との関わりを避けていた私にとって、人と関わる楽しさを知れたのは、先生の愛のおかげです。
私は今社会人として、障がいを持つ子どもたちの支援をする仕事をしています。私が高校の先生にしてもらったように、私も子どもたちに愛を持って接して、成長を見守っています。
私が高校の先生に心を救ってもらったように、私も子どもたちにとって安心できる環境を提供し、技能だけではなく心にも寄り添える支援員を目指しています。
また、高校時代に人と関わることへの楽しさを知った私は、社会人になってもたくさんのことに挑戦しています。例えば、大阪マラソンのボランティア、吃音を持つ若者がカフェを企画する注文に時間がかかるカフェ、大阪万博のボランティアリーダー、障がい福祉施設のボランティア、吃音を持つ小中学生の集まりの運営メンバーなどです。
高校時代に人と接する楽しさを知ったことにより、生活が充実しました。人によって価値観が様々で、衝突することもありますが、それを乗り越えて絆が深まることもあると知りました。吃音を持っていることで、言葉がうまく伝えられなくてモヤモヤして悩むことがあります。しかし、1人でないことや友達がいること、私のために動いてくれた人がいた事実は私に安心感を与えてくれています。誰かがきっと見てくれていると感じることで、孤独感からも解放されました。
高校の先生や友達からの愛により、私の人生が変わり、そして私も身近な人を愛し、その人の心の支えになりたいと思えるようになりました。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
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