同世代の何倍も貯める。お金を「薬」と呼ぶ弱っちい私の資産形成術

貯める、貯める。同世代の何倍も貯めておく。
パニック障害、自律神経失調症、月経困難症を抱える私にとって、一番の「薬」はお金だ。
私は恋愛を諦めている。結婚も、子供を持つことも諦めている。こんなに体も心も弱い人間が、それらを上手くこなしていけるとも思えないし、何よりパートナーや子どもに迷惑をかけるのが嫌だからだ。
そうすると必然的に、将来は「未婚子なし女性」として、社会をサバイブしていかなければならなくなる。独りの人生は、貯蓄がものをいう。そんな予感がして、病気を発症した24歳の頃から、全力で資産形成を始めた。
まず、日勤+夜勤のフルタイム→日勤の時短勤務という働き方の変化で下がった給料とにらめっこ。療養も兼ねて、実家に入ることを決める。幸運なことに会社の拠点が地元にもあったので、転職の必要はなかった。
寛容な会社で、病気にも理解を示してくれ、どんなに休んでもいい仕事をすれば賞や報奨金をくれたし、ボーナスはしっかりもらえた。これから就職活動に励む学生さんには、企業分析の際、病気になった時の給与体系についてしっかりリサーチしておいてほしい。
もちろん、実家や会社に甘えるままにはしていない。個人的な財テクを三つ、編み出した。特に難しいことはしていないから、少しは参考になると思う。
その①現金を持ち歩くのをやめた。衝動買いを起こしやすいなど、現金での買い物には、ほぼメリットがない。代わりにクレジットカードを使い、還元ポイントで利用額をカバーする。信用情報の積み上げにもなり、一石二鳥。
その②不用品を売って得たお金や、集めたポイントでのみ、趣味の買い物や友人との食事を許すことにした。このマイルールは2年たった今でも変わっていない。
その③そうして貯めていったお金をドーンと投入して、大手銀行株を長期保有、優待や配当金をゲット。
株の仕組みや市場の分析は大学生の時に独学した。「独学」といえば聞こえが良いけど、要はトライアンドエラーを繰り返した。失敗も多かったけど、成功も多かった。
個別株を選ぶときの基準は、プライム銘柄であること、配当金があること(年々増配しているとなお良い)、事業内容が人々の生活に不可欠であること、財務が健全であること(自己資本比率が高い、利益剰余金が潤沢、有利子負債が0など)。この基準を満たす株をリスク分散で数社長期保有していれば、まあだいたい安泰だと思う(※あくまで独流なので、真似した際の責任は一切負いません。悪しからず)。
ちなみに、新NISAは活用していない。これは何となく食指が動かないからで、いつか気が向いたら始めるかもしれない。もしかしたら心のどこかで、税金を多めに払いたいのかもしれない。私も積極的に社会に参加してますよー、頑張ってますよー、ちゃんと役立ててねーって。病気になる前は動物愛護施設にしょっちゅう寄付してたから、その名残りかな。この健気な気持ち、政治家の皆さん、きちんと受け取ってくださいね。
ある程度固まったお金があれば、人は割と何でもできる。いよいよ全部辛くなったら、仕事を辞めてもいい。ヘリコプターや船を貸し切って、パーティに明け暮れたっていい。読みきれないほどの本を買って、部屋に篭ったっていい。外国に移り住んで、飽きるまで好きに生きたっていい。さらに貯めて貯めて、資産家を目指したっていい。そこから寄付をしまくったっていい。
お金はこうした無限大の「救い」や「夢」をはらんでいる。だから弱っちい私は、お金を「薬」と呼ぶのだ。
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