新卒1年目の夏。私は、入社して半年も経たないうちに、パワハラによる鬱病で休職することになった。

最初は1ヶ月の休職予定だった。しかし、いくら待てど心身の調子が良くなることはなく、むしろ復職することを考えるたびに体調不良を引き起こしてしまう始末。

結局4ヶ月休職したのち、そのまま退職してしまった。

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休職したら、パワハラとも離れられるし、少しは体調も良くなるだろうと思っていた。しかし、休職しているという自己嫌悪は、私をさらにネガティブな思考へと導いた。

ネガティブな思考に流されるまま、休職中に気づいたのは、『私がいなくても職場は当然のように機能し続ける』という事実だった。

私が休むせいで、誰かに皺寄せがいって迷惑をかけているのは間違いない。だけど、つまりそれは、誰かが肩代わりできる程度の仕事であるということ。別に、絶対私でなければならない、私でなければできない仕事ではないのだ。

私がいなくても職場は機能し続けている、私がいなくても誰も困っていない。
その事実は、とてつもなく私を苦しめた。

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復職したとして私に何ができる?
そもそも復職して戻ってくることを望まれているの?
私がいなくても、十分成立しているのに?
いてもいなくても変わらない、私の存在価値ってなに?

ただでさえパワハラで病んでいた私にのしかかる、『私は職場にとって必要不可欠ではない』という思い込み。

結局、休職してから一度も職場に顔を出すことなく、私は退職してしまった。

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退職して一年以上経った今考えると、とんでもない被害妄想だ。

これは別に『私が無能』とか『私が必要とされていない』とかいうわけではなく(確かに新人で至らないところはたくさんあったけれども)、どこの職場で、誰が休んでも同じことだと思う。

だって、休職までいかずとも、体調不良とか忌引きとか、いろんな都合で休んでしまうのは誰にだって起こりうること。その度に職場が機能しなくなる、仕事が回せなくなるなんてことがあったら、それはもう職場側の問題だ。

休職したからと言って、自分の仕事が、立場が、存在価値が無くなるなんてこと、絶対にあるわけないのだ。

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休んだ人がいたら誰かがフォローして助け合う。
休み明けにきちんとお礼をして、助けられたぶん仕事を頑張る。
他の人が休んだ時には、自分にできることをして助けてあげる。

たったそれだけのことだ。

でも、休職中の私には俯瞰してそんなことを考える余裕なんてなかった。自分で自分の存在価値を否定して、ひたすら自分の首を絞め続けた。今となれば、パワハラで苦しんだ私をもっと労わってあげたかったなと思う。

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休職する理由は人それぞれ。休職しながら悩むこと、考えることも十人十色で、全てに共感することはできないかもしれない。でも、もし私のように、休職しながら自分の存在価値に悩む人がいたら、そんなの気にしないで休んでほしいと思う。

『自分なんていなくてもいい』なんて思う必要ない。
復職したとしても、退職したとしても、絶対どこかに居場所はあるから。

とにかく、自分を労って、自分に優しくしてあげること。
これだけは大事にしてほしい。

無理しないで、ゆっくり休んでね。