実家での恒例行事、抱負発表。毎年元旦におせち料理を食べながら1人ずつ今年の抱負を発表をすることで、お年玉をもらうという習慣があった。
今年は時間があったので久しぶりに帰る。お年玉はもらえないかもしれないが、たぶん私も抱負を考えなきゃいけない。久しぶりすぎて、抱負ってなんだっけというくらいのテンションで帰ったが、折角だからちゃんと考えた。

「趣味3つ、満足いくまでのめり込む」

これが私の2025年の目標だ。

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子どもの頃から、何か1つのことに集中したり、のめり込んだりする事が多かった。一度絵を描き始めれば、その日はずっと絵を描いて過ごしたり、一度工作を始めると、結構大きな作品を作り上げたりしていた。

学生時代も同様に、好きな科目は徹底的に勉強し、その科目ではテストで満点近くを取る一方で別の苦手な科目では赤点ギリギリ(時に再試を受けさせられることもあった)といった具合に、少し偏っていた。

今思い返すと、親や先生など私の周りの大人たちは幸いにも、そんな私の「好きを伸ばす」やり方に賛同し、応援してくれていたのではないだろうか。そんな環境のお陰で、毎日をとても充実感にあふれて過ごしていたし、学生時代はそれでよかった。

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しかし社会に出てからの現実は、そう甘くもなかった。大学に進学し自身の関わる世界が広くなったり、アルバイトを始めて社会人と関わるようになったり、卒業して仕事を始め1人の大人としての責任が生まれるようになると、「好きを伸ばしていれば良い」といった甘い考えだけでは通用しなくなっていった、そんなふうに思う。

仕事をしていても、何か特定の領域で成果を上げてもそれによってその他のことがおざなりになると、叱責を受ける。もちろん何か1つでもいい加減に取り組んだ自分が悪いし、そもそも一般常識で考えればそんなの当たり前だ。
こうやってだんだんと社会に染まっていき、いつの間にか「何か特定のことをめっちゃ頑張る」ことをあまりしなくなってしまった。

そうこうしているうちに、週末や休みの日に何しようか考えたり、休みを楽しみに待ったりという感覚が分からなくなってきた。

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今年、訳あって1年間仕事をお休みすることになった。やることは無いが、時間がある。せっかくの機会なので、好きなことを見つけよう。そして、決めたものに対して徹底的にのめり込もう。
冒頭にも書いたが、「趣味3つ、満足いくまでのめり込む」というのを今年の目標にしようと決めた。

何が良いだろう。こうやって文章を書くこと?学生時代に打ち込んでいた音楽?新しい楽器を始めてみるというのも良いかもしれない。資格取得のための勉強?もしくは新しい趣味として写真を撮ったり絵でも描いてみようか。そうやって考えているうちにちょっとわくわくしてきた。
1月、仕事を休んで最初の月である今、まずは今年の抱負のスタートラインに立つべく、3つののめり込むものを探すことにした。