昔からピンクが好きだった。
ランドセルは赤だったけど、ピンク色全開のメゾピアノに青春を捧げた。
大人になってから少しは控えめになったけれど、その好みは変わらなくて、気づけばクローゼットの中はピンクだらけ。
淡いピンクのブラウス、ベビーピンクのスカート、ショッキングピンクのバッグまで。
いろんなピンクを知り、いろんなピンクの表現を知った。
朝、ピンクの服を選ぶとなんだか気分が上がるし、自分らしいなって思える。

でも、ある日目上の女性に言われた。

「ピンクばっかり着てるの、ちょっと苦手かも」
「大人になるとなかなか着なくなるものだよ」

え、なんで??
ピンクには年齢制限があるんだろうか。

◎          ◎

ピンクを選ぶ理由。
私にとってピンクは「可愛いから」ってだけではなく、落ち着く色だった。
白ほどクールじゃなくて、赤ほど主張が強いわけでもない。
そのちょうどいいバランスが好きだったし、何より自分が「これだ!」って思える色だった。でも、どうやら世の中的にはそうじゃないらしい。

「ピンクばっかりの人って、なんか狙ってる感じがする」 「子どもっぽく見える」 「女の子っぽさを押し出しすぎ」みたいなイメージがあるらしい。

実際、ある友達も「なんか、ぶりっ子っぽいというか……」と遠回しに言っていた。
もちろん悪気があったわけじゃない。
でも、ピンク好き=ちょっと痛い、みたいな雰囲気を感じてしまったのも事実。

◎          ◎

ピンクとの距離感。
確かに、ピンクって人によって印象が違う。
可愛いと思う人もいれば、甘すぎると感じる人もいる。
日本では特に「女の子っぽい色」として扱われがちで、それがプラスに働くこともあれば、
逆に「媚びてる」とか「幼い」みたいなマイナスに見られることもある。
男の人が着用していたら余計にそういうネガティブな固定観念はいまだに一定ある気がする。

でも、ピンクを着ることって、別に誰かにどう思われるためのものじゃなくない? って思う。
私はただ好きだから着てるだけで、そこに「モテたい!」とか「可愛く見られたい!」とか、そういう計算は一切ない。
ただ、ピンクを身につけてると気分がいいし、落ち着く。

それだけ。

◎          ◎

それでも私はピンクを着る
一瞬だけ「ピンクを減らした方がいいのかな?」って考えた。でも、それって私らしくない気がする。
もちろん、TPOは大事だから、仕事の場面ではベージュやネイビーを選ぶこともあるけど、普段の私はやっぱりピンクが好き。

「ピンクが苦手」って思う人がいるのもわかるし、それはそれでいい。全員に好かれる必要なんてないし、逆に「そのピンク、可愛いね!」って言ってくれる人もいる。
結局、自分が好きなものを好きって言えるのが、一番大事なんじゃないかな。

だからこれからも、私はピンクを着る。
自分の気分を上げるために。
それに、誰かがどう思おうと、私はピンクが似合う自分でいたいから。