「周りと同じ」が嫌で避けたピンク。20歳を過ぎたら集めたい色に

私がピンクを気にいるようになってきたのは最近です。
私が通っていた小学校は指定のスクールバッグやランドセルが無く両親は私の好きな色を選ばせてくれたので水色のランドセルを選びました。もっと小さい頃の話をすると、保育園もバックは各家庭で準備するかたちだったのですが、まだ小さいこともあり両親が選んだ赤色バックを使っていました。
でも私は赤色よりも兄が使っていた青色のバックの方がいいなと羨ましく思っていた記憶があります。プリキュアだってピンクよりもブルーや水色の子が好きでした。今では黒歴史とも言える「周りと同じが嫌」だった気持ちが幼い頃、ピンクを選ばないことに表われていたのかもしれないですね。
思春期に入ると、上手く周りに合わせる事が小さなコミュニティで生き残る手段になりました。そのことに気づいたのは中学を卒業する頃です。今思うとあの頃は生きづらかったし、みんなと同じものを買っておけば良かったと後悔しました。
私はハンドバールという団体競技のスポーツの部活に所属していました。大会に行くと会場限定のTシャツやバックなどが売られていて、チームで買いに行く場面が当然あります。1年の頃の私は自分の好きな色を選んでいたので空気を乱していたのだと思います。その時“みんな”はピンク色のタオルを選び私は水色の物を気にせず選んでいました。また別の大会では周りが合わせてくれたのか分かりませんが青色が入ったTシャツを“みんな“が選んでいたし私も気に入っていたので同じ物を買いました。毎日の練習で着れる物でみんなで合わせて着た日にはチーム感がいつもより割り増しであった気がします。
この出来事からチームでお揃い物のを買う事が正しいのだと学習しました。チームで何か買うものがあれば自分の意思はなるべく殺しリーダ格の子が選び“みんな“が「それいいね」と言うので同じ物を選ぶように変化していきました。そうしていくうちに私とチームメイト感じていた目には見えない距離が縮み今までより仲良くなっていけた気がします。中学2年生くらいまでは空気が読めない上に鈍感だった事もあり自分の好きを持ち続けられる無敵状態でした。戻りたいとは思いませんが過去の自分を少し羨ましく思います……。
なんとなく毛嫌いしていたピンク。可愛いくて王道ヒロインのような子が身につけるものだから私には似合わないと思っていました。高校に入学すると可愛い同級生や先輩がいてその子たちはメイクをしていました。今まで最低限のスキンケアの知識は持っていてもメイクについては無知だったので教えて貰ったり動画を見たりして自分なりにメイクについて勉強しました。メイクにはアイシャドウやチーク、リップなどがあり全てにおいて入門とも言える色はピンクでした。教えてくれた子が使っていたから、動画で紹介されていたからと誰かと同じ物を買うことに抵抗はもう無くなっていました。
メイクに必要な道具を揃えるため、手始めにピンクの可愛いアイシャドウパレットを手に入れてから同系色のものは合わせやすいということも知り、ピンク色のコスメを集めるようになった今、ピンク=可愛い=集めたいという考え方に成長していきました。
それからというもの、学生時代私物でピンクのものはほとんど持っていなかったのにアクセサリーやストラップなどさりげないものは身につけられるようになってきました。20歳になった今でもまだ服にピンク色を取り入れた事はないのですが、興味はあるので歳をとりすぎてまた似合わないと考えてしまう前に挑戦したいと思います。
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