27歳、アラサーの私にとって、ピンクとはやっぱり憧れの色だ。

幼い頃、私はピンクが大好きだった。
自分で幼稚園に着ていく服を選んだとき、上から下までピンクの洋服を選び、母親に全力で止められた程だ。

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何故私がピンクの服を着たかったのか、記憶はあやふやだが、おそらく「可愛いキャラクターはみんなピンクを纏っている」というイメージがあったからではないかと思う。

どれみちゃん、ハム太郎のマフラーちゃん、それから戦隊モノのヒロイン、明日のナージャ、デジモンのヒカリちゃん……。
私が好きなキャラクターはピンクを身につけていた。
ピンクを身につけたらあんな風に可愛くなれると信じていた。

小学校に上がる時もランドセルの色はピンクが良いとずっと言っていたが、父親と母親には反対されていた。

「6年生になったら違う色がよくなるかもよ」
「似合わなくなるかもよ」

そんなの赤でも同じだ。
当時の私の中では、赤のランドセルにした場合はずっと「赤じゃない色がよかった」と思いながら過ごし、
ピンクのランドセルにした場合は「少なくとも1年はピンクでよかった」と思いながら過ごすのだろうという謎の確証があった。

どうしてもピンクが良いと言い続けた結果、折衷案のマゼンタやルビーのような光の加減で赤に見えなくもない濃いピンクのランドセルを背負って学校へ通うこととなった。
本当はマフラーちゃんの巻いているマフラーのようなピンク色が良かったけれど、それでも私にとっては赤ではなくピンクを選べたことが嬉しかった。

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小学生に上がって中学年になる頃には水色や黒が流行っていて、「ピンクやスカートのような女の子らしい可愛いものや服装はダサい」というような雰囲気があった。

仲間はずれになるのは嫌で、高校を卒業するまでピンクを避けた。
どうせ似合わないし、と言い聞かせた。
でもやっぱり、私は本当はスカートもピンクも可愛いと思うし、似合う女の子になりたかった。

アラサーになった私が今一番好きな色はベージュだ。
SNSやどこかのコメント欄で「ベージュを着ている女は〜〜」という書き込みをたまに見かけてモヤっとするけれど、

私があなたに何かをした訳ではないし、世界の中心はあなたでも私でもない、と考えると別に自分の好きな色くらい自由に纏ったっていいじゃないか、と思えるようになった。

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私が最終的にベージュに行き着いたのは、やはりピンクは似合わない、という結論に至ったからだ。

小さい頃、エンジェルブルーの服が着たくて、母親におねだりしている時に言われて気づいた。

「えー!やめなー!!ピンクやふりふりした服じゃなくて、こうゆうカジュアルな服の方が似合うと思うよ」

好きな色が似合わないと言われて傷ついたし、自分の顔は可愛くないので嫌いだったのがもっと嫌いになった。

だけど、嫌いな顔を「マシ」にしたかった。
好きなものを自分に似合わせるためにどうするべきか、を自分なりに研究し続けて行き着いた先が、ベージュだった。

アイドルや可愛い子がピンクを着ていると、似合っていいな〜と思う気持ちもありつつ、今はベージュに心がときめく。ベージュは優しい色だ。どの色とも相性が良くて身につけやすい。そしてちょっとピンクっぽい。

私にとって、ピンクは今も昔も手の届かない憧れの色。
だけどその分、色んな「可愛い」を見つけて、その時の自分に似合う色を好きになれたらいいな、と思う。