強まる孤独。キレて解決する問題はないと気づきもうキレないと決めた

私はキレることから卒業した。
私は基本穏やかな性格だと自他共に認めている。喧嘩もさほどしないし、自己主張もしない。逆に言うと、それほど相手に期待しておらず、怒ったところで何も変わらないと思っている。だから、嫌なことがあって相手と距離を置くときは、怒らず黙ってフェードアウトする。相手に嫌われたくないのだろう。ちょっと自分が卑怯にも思える。
キレない一方、私はすごく短気なところがある。ちょっとしたことや些細な言葉選びですぐにイラッとする。なんで気を遣ってくれないの?、私はそんなにどうでもいい相手なの?と思ってしまうのだ。逆に言うと私はそれくらい相手に使う言葉を選んでいる。
私がキレる時としたら相手と縁を切る覚悟の時だけだ。基本キレたらもう終わりだ、嫌われる、と思っている。だから、親友からキレられた時は本気で驚いた。この子、私と縁切ろうとしてるんだと本気で思った。もちろん杞憂だったし、よく考えれば、どうでも良い相手にキレたりなんかするわけない。
そんな私だったが、最近友人にキレてしまった。なぜかわからない。3ヶ月経った今でもだ。ただその時だけは耐えきれなかった。そして完全に私が悪い。
私は友人にチャットでよく相談をしていた。彼女も「読んでいてしんどい日もあるからちょっと緩めてもらえると助かる」とすごくやわらかく言ってくれていた。それでも私は相談を止めることができなかった。
ある日、この友達に会いたいと言った。友人は「その日は空いてるよ」と言って会ってくれることになった。しかし私は直前になって、心身の不調が重なり、約束を断った。彼女もすんなり受け入れてくれた。でもやっぱり私はそれでも会いたくなった。「やっぱり会えないかな?」と連絡すると、「ごめんちょっと疲れていて……」と断られた。
ここで私はキレてしまった。疲れているって、元から私と会う予定だったのになんで……という思考だった。でも深層ではそんなことではない。なんで会ってくれないの。私のことが嫌いなの?相談ばっかりされて嫌になっちゃったんでしょ。そんな気持ちになった気がする。それからこの友人とは連絡が取れなくなった(ブロック等はされていないみたいだけれども)。
それからすぐ私の悩みは嘘のように消えた。彼女に当たったからか、彼女と会うことで不調になっていたのか、タイミング的な問題か、理由はわからない。ただ、悩みがなくなると、冷静に自分を見ることができるようになった。友人に悩みばかり相談していたことが申し訳なくなってきたのだ。そして「友人に会いたい」と今では孤独感をますます強めている。どうやったら許してくれるんだろうと思いながら、もう無理だよな、ということもわかっている。
キレたからわかったことなのか、キレなくても時間で気付けたのかちょっとわからない。けれど、一度キレると今度は反動のように落ち込んでくる。短気は損気というのか、デメリットの方がずっと多く、自分を責めかねないことに気がついた。
それから私は何があろうとキレないと決めた。キレて解決する問題はない。フェードアウトされるか、問題をますますややこしくするかの二択だ。私にメリットなど何もないのだ。私はようやくキレることから卒業できた。
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