「2025私の宣言」というテーマで「何者でもないけどやっぱり成し遂げたい。自分に恥じない自分でいたい」というエッセイを書いた。

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本を出したい。今年の初めにわたしは、そう宣言した。そして、それを叶えた。初のKindle本「透明なことば 不透明な生活」を出版した。

「ゆらゆらと揺れる境界線とぐらぐらな足元。自分を責めながらも、ほんの少しの希望を探して——。これは、生きることに不器用な「わたし」の物語」

著書のあらすじ紹介だ。生きづらさを抱えながらでも、どれだけ叫んでも、明日は変わらずにやってくるし、生活は続いていく。その苦しみを誰かと分け合うことはできないし、だからといって自分ひとりで抱えて込むのもしんどい。だから、自分の「好き」を拾い集めて欲しい。拾い集めながら、すこしだけ生きやすく、ふーっと息を吐けるようになったら良い。そんな気持ちで、この本を書いていた。

どうしても、自分の言葉で、自分の力で本を作ってみたかった。何者でもないから、肩書きが欲しかったのもある。自分の言葉にどれだけの価値があるのかを知りたかった。なによりも、書くことが好きだ。それを、今回改めて実感できた。

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口では上手く自分の気持ちを人に伝えられないけれど、文章でなら伝えることができる。感謝の気持ちも、その言葉の温度も、文章に乗せることができる。そして、それを読んでくれた誰かの心に、言葉の温度を届けることができる。誰かに、どこかの誰かにこの作品が届いて欲しい。

「なにかを成し遂げた」その事実が、すこしだけわたしの自信に繋がった。今までだったら、怖いから……難しいから……と言って、きっと何もしなかった。言い訳をすることで自分を守っていた。何もしない方が傷つかなくて済むから。

でも、失敗することは怖いことではないと、知った。いや、知ったのではない。周りの人から、教えて貰った。周りに挑戦する人がたくさんいたから。そんな人たちを見ていたら、自然とわたしも背中を押して貰っていた。

なにかをしたからといって、劇的に変わるわけではないけれど。それでも、一つ一つ目の前のことに、向き合っていく大切さを知った。それがどれだけ小さなことだとしても、それが意味を成さないことだとしても、自分の中で意味を見つけることはできる。正解はわからないけれど、選んだものを正解にしていくしかない。

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もう、逃げない。わたしは、逃げたくない。そう思った。弱気になることもあるけれど、前を向けないことの方が多いけれど、その度に自分が出したこの本を読んで、自分で自分を励まそうと思う。ちゃんと夢、叶えたよ。もし、過去に戻れるなら、もし、過去の自分に、なにかを伝えられるとしたら、わたしはきっとこう言うだろう。

「意外と楽しい人生を送っているよ。だからまだ諦めないでね」

大人になりきれてないけれど。理想の大人とは、程遠いけれど、それでも生きていけるから。世の中の全てに絶望していたわたしへ。