都会暮らしはコスパが悪い。わかっていても離れられない理由

わたしは、社会人になると同時に上京してきた。
学生時代までは、ずっと実家暮らしだった。ちょうど来年で、いま住んでいるマンションの更新の年になる。いまのマンションの日当たりの悪さや、隣の住人とのことなどを心配している母親からは、このタイミングで契約更新をせずに、引っ越しをしたらどうか?と言われている。
いまは、安いスーパーまでは1kmで、歩いて片道15分かかる点は不便だが、一応徒歩3分圏内に他のスーパーもあり、駅前には商業施設もあり、職場からの距離も遠すぎず、各駅停車の普通電車であれば最寄り駅から始発電車も出ているため、この土地はなかなか気に入っている。これらのことを伝えると、母親からは同じ駅で別のマンションに引っ越したらどうか?と提案された。同じ駅ならますます引っ越しが面倒になりそうだ……。せっかく引っ越しをするなら、もっと職場に近い駅や、電車の音がしない地下鉄沿線に住みたい気持ちはやまやまだが、関東だと家賃がものすごく高くなるため、それも叶いそうにはない。
いまのところ、社会人になってから1年に3回以上は帰省しているが、帰ってきた後の疲れや、帰省中に家事が滞ってしまうため、そういう点でお金や時間や体力的にかなりキツイ。ちょうどゴールデンウィークに帰省したとき、1日に4箇所のお店に行き、用事を済ませなければいけない日があった。午前中は雨だったため、往復地下鉄に乗ったが、あとは自転車で行って、ささっとタスクをクリアすることができた。実家はアクセスが良くて都会だなぁと、改めて実感させられた。
いまひとり暮らしをしている家からだと、お昼にランチの予定があると、10時30分くらいには、家を出発しなくてはならず、いつもいつもバタバタしてしまって、交通の便が悪いなと感じる。親戚のおばから地元に戻ってこないのか?と聞かれた。彼氏がいるから無理である、とは言えなくて、なんとなく濁して返事をした。
コロナ禍を経た、いまの時代のトレンドとしては、田舎に住んでフルリモートの仕事に就いたり、2拠点生活が挙げられると思う。しかし、行きたいスポットやお店がたくさんあり、交通の便が良い都会から離れることは、当分できそうにない。しかしながら、地価や物価が上がっている日本で、都会に住むことは、かなりコストパフォーマンスの悪い、時代遅れの行動をしてしまっているのだろう。
いまの彼氏は、全国各地に支店がある会社に勤めている。したがって、2、3年後には、転勤の可能性も充分にあるらしい。遠距離恋愛は、彼氏ではなく、「推し」になってしまうと聞いたことがある。たしかに、わざわざ高い電車賃や長い時間をかけて会いに行くことを続けるのは、並々ならぬ気力と体力が必要なことだと思う。かと言って、彼氏彼女という関係性ではなく、夫婦という関係性にならないと、転勤について行こうとはならないと思う。金銭面は置いておいて、理想は、子どもが増えることも考慮した都会の間取りの家に住むことである。
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