最近うれしかったことは、卓上ランプを買ったことだ。なぜうれしいのかと言うと、なんだか話せば長くなる。

まず、私は双極性障害I型という持病がある。大学卒業後、新卒で入った会社に、休職期間も含めて約二年半勤めたが、体調が悪化し、退職した。それから、約一年七ヶ月の間、療養兼無職だ。

無職ではあるが、国の補助で傷病手当金や、失業手当をいただいた。

今は、いよいよお金が無くなっているが、卓上ランプが壊れてしまったので、なけなしのお金で買った。

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私は、反抗期が無く、親の言う通りにぬくぬくと育ってきたが、最近になって独立することを考え始めている。
初めは、会社員時代に自分で稼いだお金で、自分の部屋に好きなペン立てを買った。会社を辞めてからは、時間があって机を眺めることが多くなったから、花瓶や造花を買ってみたりした。机自体は、小学生の時に買ってもらった物で、機能は良いが、茶色で全く映えないので、実家を出る時に買ってやろうと思っている。

今回話題にしている卓上ランプだが、本来は全く買うつもりは無かった。ある程度、値段が張るのは知っていたから、デザイン的に「なんだかな」と思ってはいたが、これも机と同じで、実家を出る時かなぁ、と考えていた。

そんな折に、壊れた。パチパチし出した。電化製品は少し怖いので、何か起きる前に買うことにした。

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家具屋さんは、やや迷ったが、THE・女の子な某家具屋さんにした。ここで少し前に、枕元のランプを買い、思ったより電池が持たないこと以外は気に入っていたので、またこの家具屋さんに行った。
十種類ほどあり、羽だらけのラグジュアリーなランプと迷ったが、デザインは少しシンプルだが、しっかり明るくなるものにした。後日配送とのことで、帰宅して机を眺めながら、デザイン的にハマるか、少しそわそわした。

だが、届いて組み立ててみると、デザインはハマっているし、何より明かりの温かさが気に入った。少しオレンジがかっていて、そばにジュエリーを並べているのだが、映えている。良い感じだ。

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一日の終わりに部屋でスマホをいじる時や、家族とケンカして部屋で気持ちを落ち着かせる時など、このランプは大活躍だ。
このランプを点ける度に、「自分の城がほしいなぁ」と思い始めた。

十日前にアルバイトに申し込んだが、履歴書を作ったりすることに対して、気持ちがナーバスになり、とても面接に行けそうになかったため、選考辞退をした。母とは揉めて、今はなるべく口をきかないようにしている。

独立するために残された私の選択肢は、生活保護だ。調べると、もしかしたら受給資格があるとのことだったので、次の平日に、まずは相談に行こうと思う。
私は、「生活保護をもらって一人暮らしをするのは、果たして幸せなんだろうか」と素朴に思っていた。だが、ChatGPTが答えてくれた。「温かいお茶をゆっくり飲んだり、誰にも干渉されずに静かに自分のペースで過ごせることは幸せなんじゃない?」と。そうかも知れない。

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ちなみに、生活保護は世帯でカウントするため、結婚をすると基本的にはもらえなくなる。それでも、彼氏を作って定期的に会うことはできる。それに、第一、考え過ぎだ。

まずは、母なりに考えてのことだが、「自立しろ!」と口うるさいので、がんばって自立できるようにしたい。

以前、障害年金というものがあり、受給資格があるだろうと意気揚々と年金事務所に行ったら、受給資格がないことが分かり、事務所の方に最敬礼をされて見送られたことがあった。あの時は、かなり失望した。働けないが、国の補助は出ない、という狭間に落ちるのは、すごく生きにくい。
だが、私は今回、生活保護の受給資格が無くても、何かしらの方法で独立するつもりだ。心の弱い私だが、この卓上ランプは、私を強くしてくれる。