目の前で彼の本が1冊売れた。文学フリマという空間の尊さ素晴らしさ

5月11日、初めて文学フリマに出店した。
ただ勢いで申し込みに滑り込んだら、いつの間にかエッセイ本が1冊出来上がっていた。
それも7編の書き下ろし。
次からはもう少し余裕を持ちたいな、と思いながらイベント当日を迎えた。
元々、私1人で出店予定だったが、彼氏も写真集を販売することになった。
都内の写真を撮りまくり、ストリートスナップが大好きな彼は、あまり自分の作品を外に発表しないので良い機会だなと思った。個人的には、才能があるのに作品を自分で楽しんでるだけなのはもったいないなぁと感じていた。
そんな彼はイベント当日も同行できることになり、2人で文学フリマへ赴いた。
乗り換えを何回もして着いたのは、オタクの聖地ビッグサイト。
私にとっては6年ぶりの場所だ。
実は、6年前のコミティアで私はこの地に立っていた。その時に販売した本を読み返していたら、なんとちょうど6年前の5月10日に出店していたことに気づいた。
こんなこともあるんだなぁと思いながら、自分が新たな本を作ることに6年かかったことを重く感じた。色んなことがあったし、やっと6年前の自分と同じように何かを生み出せたのかな?と思う。
南ホールに着き、自分のブースへ向かう。
彼と設営準備をしながら、周りを見渡すとたくさんの机が並んでいる。そこには、最低でも1人が何かを0から生み出している。あぁ、なんて素晴らしいことなのだろうと少し感動する。
設営完了し、12時の開始をドキドキしながら待つ。
文学フリマがスタートすると、たくさんの人がエスカレーターを降りてきた。目当てのブースを探している人、とにかく全部を見ている人、ブースの人とお話を楽しむ人。色んな人がいた。みんな、誰かが生み出す作品を楽しみにしていたのだなと思う。
途中、彼氏に店番を任せて、私がnoteでお世話になっている方のブースにご挨拶をしに行った。私がエッセイを投稿するきっかけとなった方、noteでいつも拝見している方、同じコンテストで賞を取った方。普段、スマホやPCの文字で見ている方々が、目の前に存在する人であることが嬉しかった。
なんだか、それぞれの文章と同じ雰囲気があって面白いなぁと思った。
全部のブースを回りたかったが、回りきれないほどの数なのだ。
やっぱりこういうイベントって創作意欲が刺激されるし、もっと色んな製本したい!と思わせられる。
そして、私と同じように文字を書くことが苦でない人が、世の中にはこんなにいるのか!ということがたまらなく嬉しかった。文字が好きで、本が好きで、自分で感じたことを言葉にしたくて形にしている人たち。なんて尊く素晴らしいのだろう。
色々見た後にブースへ戻ると、1人のお客さんが彼の写真集を見ていた。
その人は彼と色々話した後に「これ、1冊ください」と言った。私は、目の前で彼の写真集が売れる瞬間を見れて本当に嬉しかった。
「やっぱり、彼の作品は良いんだよ!」と大声で叫びたいくらいだった。
私の本も数人が購入してくれて、なかには私の本を目当てに来てくれた方もいた。
本当、ありがとうございました。
帰り道、彼とカレーを食べながら、次の文学フリマへの出店申し込みをした。
まだやりたいことがたくさんあるし、またあの空間で自分の本を販売したい。
今回会えなかった人にも、会う機会を作りたい。
次に出すエッセイ本は何も決まっていない。
それでも、紙にこだわりたいし、製本も色々考えたい。
色んな人の作品を見た私の創作意欲は増すばかりだ。
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