私が学生でいる期間はあと3年。長いと思っていた大学生活もいつの間にか折り返し地点に来ていた。

大学を卒業したら、きっとどこかの企業に就職することになるだろう。多くの就活生が勤務場所で企業を選ぶように、私も同じように希望の場所で働けるかどうかはしっかりと見てから決めると思う。……今はまだ、希望の業界も職種もどこを選ぶかは決めていないけれど。

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元々ぼんやりと憧れを抱いていた海外は、留学を経た今、ぐんと距離が近くなった。むしろ、海外で過ごしてみて将来現地で働いてみたい、という思いはいっそう強くなった。

その場所は留学先だったイギリスでもいいし、ヨーロッパを数ヶ所旅してみて気に入ったので、ヨーロッパのどこかで生計を立てられたらいいなとも思う。

街並みが美しく見るもの全てが新鮮だったということもあるけれど、海外で働く具体的なイメージを持ったきっかけは、留学先の大学の授業で建築設計事務所に見学に行ったことだった。そのとき聞いた説明やオフィスの様子を見て、やはり私は人がいる空間づくりに携わりたいと思ったし彼らと一緒に働いてみたくなった。住宅もいいけれど、大きな建物を建てたい。

社会人として暮らすときは、留学中での生活より自由度は低くなると思うが、20代のうちは色々なことに挑戦して自分がやりたいことを探してみたい。

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周りの友人の影響か、私は社会に出るまでに十分な時間が必要だと思うようになり、不思議と焦りはなくなった。

自分が誰かと生涯を添い遂げること、小さな命に責任をもつこと、私が未来で自分の家族をつくりあげることなんて、まだ想像できない。だけど一体、誰が未来のことなど知っていようか。自分が思い描いた未来にならないことだってあるし、予想もしなかったことだって十分起こりうるんだ。

時が経つのは早いもので、帰国してもうすぐ1年が経とうとしている。日本にいる今は観光地でアルバイトをして英語を使う機会に恵まれているが、確実に英語力は落ちてきていると思う。やはりもっと長期間そこに英語が体になじむまでいなければならないと思った。

そして、普段私は内向的な性格だが、何故か英語を話すときは人格が変わる気がする。積極的になれるのだ。私は英語を話しているときの私が好きだ。自信があるように見えるから。

もう一つ、向こうでできた友人に会いに行きたい。お金があればすぐにでも飛んでいけるのに、と思う。時間が長くあいてしまえば、彼らと遠くなってしまうような、そんな一抹の不安を抱く。一度繋がった縁を、私は紡いでいきたい。

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私は、新人でも海外で活躍できるチャンスがあれば飛びついていきたい。毎日に刺激と成長を求めずにはいられない。挑戦と成長の連続で、自分自身が成長できる場所だな、と感じられるところに身を置きたい。

もちろん日本国内でも色々なところに住んでみるのもいいなと思っている。そこにチャンスがあるのなら、それを拾える場所に住んでみたい。

ただ、最終的には地元に戻ってきたい、と思う。両親の老後も心配だし、2人の妹も切っても切れない大切な存在だから。

いつか、両親が私の助けを求めるまでは。日本でも海外でもいい。まずは自分の故郷から遠く離れた地で暮らし、様々なことを目にして触れてみたいとそう思っている。