6年前の冬、君より年上になりたくないと思っていた私は、今年で20歳になります。

君が知っている私は、あれからひそかに、でもたしかに、生きています。君がいなくなって、生きている心地がしなかった時期は本当に長かったし、君を失った季節が毎年やってくることが、ずっと怖かったです。

失うには、あまりに存在が大きすぎました。傷は、まだ癒えていません。君を想って涙が止まらない日があります。君と過ごした時間が、恋しくてしかたない夜もあります。受け入れたくなかった現実を再確認して、はてしなく落ち込んでしまうこともあります。

それでも今、私は幸せです。もう一度会えるなら、もう一度、あの時勇気が出なくて言えなかった言葉を贈ることが許されるのなら、そう思って、6年ぶりにペンを取ることを決めました。受け止めてくれたら嬉しいです。

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あれからずっと、どうしようもなく。会いたいです。
実は、6年経った今も君を過去の人にできるほど私は強くなっていません。
君のいない毎日に慣れることで、本当に君がいなくなるんじゃないかと思ってずっと怖かったです。それなら慣れたくなんかない、ずっと辛い思いを抱えていたい。君を過去に置いて、私だけ前に進んで幸せになっていいわけがないと、ずっとそう思っていました。

こんな情けない彼女でごめんね。ずっと謝りたかった。あの時のあなたの痛みを、わかってあげられなくて、本当にごめんね。傷つく覚悟をもって君にメッセージを送れなかったこと。手を握って、さよならって言えなかったこと。ずっと後悔しています。

「お前からのLINE楽しみにしてた。送信取り消しされてるのをみて落ち込んでた」その言葉を今もずっと忘れられないでいます。もう起動されることのない君のLINEのアカウントのトーク画面を開いてしまう癖は、しばらく治りませんでした。

既読の文字がつかないのが悲しくて、それでもあの画面が私の1番の居場所でした。

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忘れたいのに忘れられない。でも忘れたいっていうのも嘘で、過去にすがることで君とずっと生きていけるような気がして、過去が私を苦しめることがあっても、君を忘れないで生きていく決断を下しました。

失いたくないものを失って、その度に傷ついて、背負わなくていいものもたくさん背負ってきたからこそ、誰よりも優しい心をもっている。人の痛みに寄り添い、そして笑顔が素敵な君が大好きでした。

そんな君に、20歳を手前にした今の私が思うことは1つだけです。「幸せになってほしい」君が私に残してくれたその気持ちと同じです。

たくさんの人に生きることの希望と幸せをくれたあなたが、笑顔と幸せあふれる日々をおくっていけますように。いつか君が生まれ変わって、その先にいる沢山の愛を注いでくれる人が、どうかあなたを最大限に幸せにしてくれますように。
誰よりも、強く、願っています。

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私も君も幼かったあの夏。交わした約束の数々はなにひとつ叶えられなかったから、私からあなたにひとつ提案です。君が君らしく生きたように私も私らしく生きるから。これからの夏はあの時に比べるときっと物足りないし、少しさみしいけれど、苦しくても、それでも頑張るから。君の分まで生きるから、そんな私をどうか傍で見てて。

拝啓、13歳の君へ。
あの時伝えることのできなかった思いを、今度は私が君に伝えます。
もう二度と後悔しないように。生まれてきてくれてありがとう。大好きです、愛してるよ。