ショッピングのついでに投票。気楽に考えることもきっと大事

私が初めて選挙で投票に行ったのは、社会人1年目のことだった。なぜ、投票に行こうかと思ったかと言うと、社会人として投票に行ったことがないというのは少々恥ずかしいことのように思われたからだ。もちろん、学生時代、学校の授業で選挙について学ぶから、全く未知のものという訳ではない。けれど、何事も実際に行動してみないとわからないこともある。単に知識だけを持ち合わせているのと、実際に行動して体験するのとでは、得られるものが断然後者の方が大きい。
私はあいにく、選挙当日に仕事の予定があったので、期日前投票をすることにした。もちろん、市役所でも期日前投票が出来るけれど、私は近くのショッピングセンターで投票した。ショッピングセンターで期日前投票ができるのは非常にありがたい。ショッピングついでに投票することができて便利だ。投票率は、もちろん選挙そのものに対する意識の高さが大いに影響するだろうけれど、投票のしやすさも大なり小なり関係していると思う。
いざ、投票所に足を踏み入れると静かな雰囲気が漂っていた。整理券を係の人に渡し、投票用紙をもらう。そして、投票し、投票所を後にするまであっという間だったことを覚えている。
選挙が近付くと、街の至るところでポスターが貼られた掲示板を見かける。けれど、正直、立ち止まってポスターをじっくりと眺めたことがない。先日、偶然にも、関係者の方がポスターを貼っているところを見かけた。その方は自転車で回っているようだった。この暑い季節にご苦労様ですという思いでその姿を遠目から観察していた。世の中が便利になっても、この作業に関しては案外アナログなんだなと感じた。車で立候補者のアナウンスが行われるのも、私が子供の頃と変わらないなと思う。車が自宅に近付いて来ると、音で気付くけれど、車のスピードが速いのか、もしくは、距離があるのか、肝心の立候補者の名前が聞き取れず、車が行ってしまうことがある。せっかく回っているのに、何だかもったいないなと感じてしまう。
世間の人は、どのように投票する人を決めているのだろう?私は、あまり深く考えたことがない。例えば、市長選の場合、特に現職の人に対して、何の不満もないという理由で、その人に投票していたりする。後は、日頃から街中でよくポスターを見かけたり、名前を知っているというごく単純な理由で投票しているに過ぎない。少々、無責任かもしれないけれど、誰に投票するかにおける基準は人それぞれだから、きっと、正解も間違いもない。しかし、投票することによって、自分が選挙に参加したという証になるのは間違いない。いざ、投票するとなるとマニフェストを調べなくてはいけないなどと考え、気が重くなってしまいがちだけれど、もっと気楽に考えることも大切なのではないかと思う。
この7月に選挙が行われる。早速、整理券が送られてきた。けれど、選挙に行くかどうかは決めていない。選挙に行くか否か。行くとすれば、誰に投票するのか。他人と比較せず、自分のペースで選挙と向き合っていけたらと思う。
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