髪を明るくすると運気が良くなる。それ以来ずっと金髪で生きている

私はここ数年、金髪で生きている。
カラーをした後、色が抜けてキレイな金髪になるようにオーダーしている。
ショートヘアだし、伸びるのが早い体質なので維持は少し面倒だが、それでも私には金髪で過ごしたい理由がある。
高校生の頃、長期休みになるとピアスを開けたり、髪を染めたりする同級生を見て、「どうせ先生に怒られるのに、なんでやるんだろう?」と思っていた。
当時の自分は、卒業してもピアスも髪を染めることもしないと母に言ったこともある。
だが、卒業式が終わった直後に私はピアスを開けていた。完全に衝動だった。
今考えると、学生のうちにやる意味を見出していなかっただけで、なんとなくやりたかったのかもしれない。
そして、上京してから髪も染めるようになった。
大学生の頃は、ハイライトという細かいブリーチをしていたが、全頭ブリーチはやったことがなかった私。卒業間近に同期たちが「今のうちに明るい髪にしよう!」とブリーチをし始めたとき、そのブームに合わせて挑戦してみた。
初めての全頭ブリーチは薬剤が沁みて、頭皮が焼けるように熱かった。ただ、我慢した先には金髪になっている自分がいた。
金髪は家族や友人にも好評で、卒業シーズンの写真には楽しそうな金髪の私が写っている。
同じ時期、彼氏ともお付き合いが始まった。
彼は元々金髪が好きだったので、私の髪も「似合ってる」と言ってくれた。なんだかその言葉だけで、私の自己肯定感は満たされていた。
しかし、卒業後の就職に合わせて、髪色を暗くするしかなかった。暗い色になると、自分の見た目が野暮ったくなった気がした。
新卒の年はコロナが始まり、世界の全てが落ち込んだ。
精神的に参った時期もあったし、自分のやりたい仕事ではなくて荒んだこともある。
それでも何とか自分の目指していた仕事に就き、ほっとした瞬間に「また金髪にしたい」と思った。
なんだか、髪を明るくすると運気が良くなる気がしていたし、私らしくいられるのは金髪にしたときだったから。
それから私はずっと金髪で生きている。
金髪にしていても何だか上手くいかないときはあったけど、それも人生だ。最近、ウルフカットを目指して襟足を伸ばしたりしたが、何だか暑いし邪魔になってショートヘアに戻した。帰宅して彼に見せると「やっぱりショートが似合うね!」と褒めてくれるのが嬉しい。
私が金髪にしているのは、彼にずっと好いていてほしいという邪な気持ちもあるのかもしれない。少しでも、彼の好みの見た目でいたいし、なるべく「かわいい」と言われたい。
いつか金髪が似合わない歳になるのだろうか?
そうなったら、シルバーヘアに舵を切るのも良いかもしれない。
きっと、彼ならどんな私でも「似合ってる」と言ってくれるだろう。
そう思いながら、今の私は紫シャンプーでキレイな金髪を維持している。
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