映画と給与明細がくれた気づき。今を良くするために私は選挙へ行く
私は社会人になるまで、お恥ずかしながら選挙に行ったことがなかった。
なぜなら地元から離れた大学に進学していたためである。
本当はそのような事情がある人も選挙に参加する方法があったのにと今では悔やんでいる。
そんな私が選挙に行くことの大事さを知ったエピソードが2つある。
私は政治や選挙のイメージは中学や高校で社会科の時間で勉強したけど正直定期試験のためだし、難しい用語や漢字のオンパレードのイメージだった。
そんな私が選挙は大事だなと思ったのは、社会に人になって給与から社会保険料が引かれるようになってから。私の新卒で入った会社は世間的にも給与が少なく、こんな少ない給与から、社会保険料がこんなに引かれるなんてと絶望した。
この状況になり、やっぱり選挙に行って引かれている社会保険料や税金の使い道の意思表示が大事と知り、自分の生活が今より、少しはよくなるために、いくべきだと思った。
しかし行こうと思っても誰に入れればいいかよく分からないなと思っていた。選挙に行っても白票だと意味がない。すると、SNSでボートマッチ(自分の政治思想に最も近い政党や候補者を測定できるインターネットサービス)というシステムもあると知り、選挙=難しい、よくわからないというイメージが変わった。向く足が少し前向きになった。
2つ目は、今年2月から公開されている、劇場映画としては日本初の鑑賞者が選択肢を選ぶことによって物語の展開や結末が変わる「インタラクティブ映画」を鑑賞したからである。
この作品のストーリーは、7つのチームがトーナメント制で、ラップバトルを行い、優勝したチームが、国の支配権を握ることができるという作品。この作品の世界観は女性優位の世界であり、政権は女性が握っている。男性は立ち入れない地域があったり、重税を課されていたりとなかなか厳しい状況に置かれている。
上映中にスマートフォンの専用アプリから、5回の投票を行い、投票数が多かった選択肢によってストーリーが進行し、観客の選択で展開や結末が変わるマルチエンディングとなっている。
この作品の面白いところは、投票結果が数値化され、上映終了後結果を見ることができるのだが、最終的に優勝した回が接戦だったりすると、もしかして自分が投票しなかったら、また別の結末になってたかもしれないのだ。これって現実の選挙みたいだと思った。
SNSで感想を見ると、「選挙に行く大事さがわかった」、「自分も18歳になったら選挙に行く」と意思を表示する声があり、嬉しくなった。
選挙権が18歳に引き下げられた時、全国各地の高校では説明会や講演会が行われたようだが、難しくてよく分からない、興味がないという反応が多数あったと聞く。
ぜひこのインタラクティブムービーのシステムを使って中学校や高校の社会科の授業教材に落とし込んだら選挙の仕組みや大事さがわかりやすく伝わるだろうなと思った。
私自身政治についてよくわかっていない部分がたくさんある。けれども、今の日本の政治は、このままでいいのかと思うと、よくないと思っている。コロナ禍以降物価高で、世間的には最低賃金が上がったとしても、まだまだ賃上げを感じることはできない。
少しでも今の状況を良くするために、行くものだと思うと選挙へ向く足を前向きに感じられる。

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