頭の中はおいしい!辛い!だけ。目の前の「今」に全力集中できる時間

辛旨ラーメンの代表として長らく王座に君臨しているお店はどこでしょう?
蒙古タンメン中本です。
蒙古タンメンには足繁く通うリピーターが多い気がするのですが、私もその1人です。疲労困憊な時、何かモヤモヤすることがあった時、無性にすすりたくなるあの1杯。
あっつあつでピリリと刺激をくれる麺を懸命にすすって、全部食べ切ったーという瞬間!サウナ好きがよくいう「整う」現象があの時も起こっていると私は思ってます。
蒙古タンメンは食後、謎の達成感と、毒素を全て汗が流してくれたような心身がスッキリした気持ちをもたらしてくれます。
昔から辛いものが大好きな私だけれど、最近その理由にちょうど気づいた頃でした。
辛いものを食べてる時って、全力で「今」に集中できるんです。
「未来のことを考えるからニンゲンって悩むらしいよ」
仕事の計画に頭をかかえていた私にかけた課長の言葉です。予測できない未来を案じて不安になったり憂いたりする際に、私たちは強いストレスを感じますよね。
じゃー未来のこと考えるのやーめよ!とできる簡単な世の中では勿論なくて、私は計画をする職種の身だから未来を考えないでお給料は貰えないし、プライベートでも先を考えないで過ごすのが難しいって人、多いと思います。
未来のことは考えても答えが出ません。答えはこれからの自分、つまり未来にあるので考えても悩むだけだし、判断したらそれに向かって進むしかないけれど、判断を下すまでにとても強いストレスを感じます。そんな時に食べたくなるのがあの1杯なんです。
ラーメン屋のカウンターがだいすきです。みんなただ目の前のどんぶりと向かい合っているから。
お好みのメニュー(私は必ず五目味噌タンメン8辛、チャーシュー、生卵トッピング)を頼んだらそれが来ることを楽しみにしていればいいだけ。目の前にお待ちかねの1品が現れた際のあの高揚感は、直前にどんな気分の時でも必ず訪れます。
辛い!というあの気持ちは、隙があるとどこからともなく湧いてくる薄暗い霧を一瞬で晴らしてくれます。
普通に食事をしている時だとふと「〇〇は終わったっけ……?」と心配事が湧き出ることがあっても、辛いものを食べている時はそんな暇はありません。ただ目の前にあるこれが辛い!舌が痛む!汗が滴る!という辛さがもたらす生理現象を全身で感じながら、一生懸命にすするだけ。
この「一生懸命」に食べるって、辛いものを食べてる時が唯一じゃないでしょうか。
おいしい!からい!おいしい!からい!蒙古タンメンを食べてる時に感じることなんてたったこれだけで、目の前の「今」に全力で集中できる時間なんです。
瞑想がメンタルケアとして注目されていると思います。目を瞑って呼吸に集中し、余計な邪念を晴らすという行為。呼吸に集中するって、「今この瞬間」に集中するということですよね。
そう考えると私にとって、辛いものと瞑想は似ているような気がしてしまうんです。辛いものは、メンタルヘルスへ絶大に貢献してくれるポテンシャルを秘めています。
今回は蒙古タンメンを例にしたけれど麻婆豆腐、韓国料理、インドカレーと辛いものならなんでも大好き!これからも私の生活の一部として、私らしく生きていける必需品として、辛いものとの付き合いはずっと続いていきそうです。
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