妊娠で後回しになったヘアサロン。冒険のきっかけをくれた一通のDM

今年に入ってすぐに妊娠がわかり、なかなかサロンに行けなくなるなと思っていた。
昨年の11月、高校の友人の結婚式に合わせて、髪を切りに行ったきり、伸びっぱなしでボサボサにもなっていて、接客業なのに、この髪で大丈夫かと思っていたので、常連さんのサロンに行って少し整えようかと考えていた。
そんな時にInstagramのDMを開くと、よくわからないスカウトメッセージや海外からのメッセージなどが来ていた。その中に1件、都内のサロンから、サロンモデルをしませんかと、具体的な内容も書いてあるメッセージあった。私は気になり、どんなサロンなのかと、ある程度、調べた上で、ぜひお力になりたいと返信した。
その後もDMにてやり取りを続け、約3か月以上伸びっぱなしにしていた髪を、そこのサロンに任せようと思った。やり取りの中で、何cmまで切っていいのか、髪型を変えるにあたって気になるところはあるかなど、私がいつも髪を切りに行くときに気をつけていることなどをお伝えしていた。先方の対応は早く、こんな感じはどうですかといくつかのイメージ画像を送ってくれた。それを見た私は、また違う自分になれそうだなと確信した。あとは日程を決めて、当日になるのが楽しみであったし、私の中で冒険心もあった。
サロンモデル当日、生憎の雨であった。いつもよりボサボサだよなと思いながら向かったサロンは、当たり前だが環境が整っていて、4人ものスタッフさんが集まっていた。皆さん、気さくでとても居心地の良い空間であった。
カット担当の方が、髪で気になっているところを再確認してくれて、おおよそのイメージを固めた。私はつむじが2か所以上あり、特に左のうなじにあるつむじにはいつも困っていて、いつもそこだけ髪の毛が跳ねている状態になるのだ。なので、ベリーショートはすごく管理が難しくて、後々大変なことになるので抵抗がある旨を話した。さらに、髪の毛の質が横に広がるタイプなので、放置し続けるとピンで留めたり、結わいたりしないとおさまってくれない、いわゆる癖毛なのだ。それも全部お伝えした上でカットに入った。
結果から言うと、前髪なしのミディアムヘアから、前髪ありのウルフヘアに変わった。
前髪を作るのは4年ぶりくらいで、がっつりウルフヘアは初めてであった。襟足を残してくれたので、癖が出ても外ハネになってカバーできるようにしてくれていた。だいたい10cmくらいは切り、横の部分も広がらないようにとすいてくれたので、とても軽くなった。
ここまで一気に切ったのは半年ぶりだったし、なによりも前髪があるというのが新鮮であった。なんだか悪いものが切り落とされた気がして、すごくリフレッシュした気分になった。
このDMがなかったら、私は髪を整えるだけで、また妊娠後期になるまで伸ばし続けることであっただろう。髪型の冒険なんてしなかったかもしれない。緊張して向かったサロンは、私の心にいい効果をもたらしてくれた素敵なサロンであった。
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