5年続けるストレス発散方法。金曜日に食べる辛ラーメンに救われて

仕事でヘトヘトに疲れた金曜日。家に帰ると、私はいつも辛ラーメンを食べる。ただし、翌日に外出の予定がないときに限る。いつも辛さを調整しているけれど、たまに辛いスープの粉末の量を誤って多めに入れてしまってお腹にくることがあるからだ。
そうなってしまうと、土日はずっと家にいることになる。私がそんなリスクを負ってまで、辛い物を食べる理由。それは、単純に刺激を求めてしまうからなのかもしれない。
これまでの私の人生は、面白みに欠けたものだった。学生時代は勉強や部活でずば抜けて優れていたわけではないし、クラスでも存在が薄いので面倒な時にこっそり姿を消してもいないことに気づかれないほどだった。
もっと思い出を作れたらよかったけれど、高校を卒業するまでに私が得たのは、人間不信になったことだけだった。人間関係に恵まれなくていじめに遭ったり、頑張って出した成果に対して嫉妬されて陰口を叩かれたりして嫌な思い出しかない。
私が特に後悔しているのは、学生時代にまったく恋愛できなかったこと。社会人になってから付き合ったことはあるけれど、恋愛ドラマやバラエティのようなワクワクドキドキは皆無。現在はというと、周りがどんどん結婚する中で私は恋人すらいない。お祝いするたびに、自分だけ幸せのスタートラインにすら立てていないことを思い知らされる。先日、親友経由で高校の同級生から連絡が来た。
同窓会をするからグループLINEに入ってほしいと言うので、とりあえず入った。母に「ステキな出会いがあるかもよ?」と言われたけれど、正直、それはあり得ない。同窓会に参加したとしても私が誰なのかみんな分からないだろうし、結婚の有無などで色々言われたり思われたりするのは苦痛でしかない。嫌なあの頃のような思いをまたするのは、もう御免だ。
仕事でも理不尽なことがあったり、評価が良いのになぜかボーナスが出なかったりと色んなことが重なってモヤモヤ。通勤でも押し退けられて立っている場所を奪われたり、足を何回も踏まれたりして心身ズタボロ。こんな感じで、公私ともにどんどんストレスが溜まりまくっている。どこかへ出かけても誰かに愚痴を聞いてもらっても、残念ながら気持ちが楽になることはなかった。
イライラをスッキリなくしたい。徐々にというよりも、スカッとしたい気分。そんなときに出会ったのが、辛ラーメンだった。きっかけは、以前の職場で「辛いけれど美味しい!」と汗をかきながら食べている先輩を見て、単純に「どのくらい辛いのかな?」と思ったこと。
カップ麺や袋麺として売られていることを知り、すぐにお店で購入した。初めて食べたときは旨味を感じられないほどの辛さで、しばらく舌がヒリヒリしていた。お腹の調子も3日ほど悪かった。まるで、拷問されているみたいだった。
美味しく食べることと、気分をスカッとさせること。私にとってはどちらも大切。入れる粉末の量を半分にしてチーズや野菜をたくさんトッピングしてみたら、旨味と辛味の比率が丁度良くなった。食べ終わったときの満足感は最高だった。
5年以上この習慣を続けていて、今も暑い夏だけれど汗をかきながら辛ラーメンを食べている。食べ終わったあとの爽快感といったらたまらない。私のちょっとしたストレス発散法。溜まりに溜まったものをリセットして、また次の週から頑張れる。
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