私は2年前に結婚を機に実家を出た。

実家を出るまでは、紆余曲折だった。
大学進学時に家を出て、就職時に戻ったが、ずっと実家に居る気はなかった。
現在の夫と結婚して家を出る前提で実家に戻ったからである。

当初の計画は、社会人4年目あたりで家を出る予定だったが、コロナ禍のせいで、計画は当初の1年半ぐらい伸びてしまったが、実家を出ることができた。
そんな念願の夫との暮らしだったが、実家を出て気づいたことがある。それは、母の作った栄養バランスを考えられた食事の偉大さである。

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母は、栄養士資格を持っていて、昔は病院給食を作る仕事をしていた。
そのせいか、食事の栄養については口うるさかった。家では朝はパンの日、ご飯の日。夜ご飯のおかずは、肉の日、魚の日と日々シフトが組まれていた。パンの日の方が、片付けが少ないのよねと母はいっていたが、それでもご飯の日は組みこまれ、朝ごはんには具が複数入った味噌汁や、焼き魚や卵焼きを出していた。

私は実家にいた頃は朝は早く食べ終わり、様々なレパートリーがあるパンが毎朝食べたかったし、骨を取らなければいけない魚料理が苦手だった。魚が美味しいと言われ地元だったが、刺身も苦手で、出されても少ししか食べてなかった。正直肉が食べたかった。

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家を出て、今は食事を自分達で準備しなければならない。米不足、価格高騰もあり、念願の毎日朝はパン生活をしている。しかし実家を離れて気づいたことがある。朝パンとご飯交互に食べていた実家暮らしの方が、朝の便通がよく便秘があまりなく健康的だったことに。魚のおかずも、苦手だが昼食の弁当のおかずレパートリーのために、冷凍した鮭を下味をつけて、食べているが、魚を捌いたりしたことないので、ワンパターン調理で終わっている。魚より肉の方が安いし調理しやすいから肉がおかずになる割合が多い。その結果、ここ2年で私自身の体重の数値が人生最大である。肌荒れも増えた気がする。
すると、母が組んでいた日々の食事のシフト、おかずのレパートリー多さの凄さとありがたみに気づいた。

一人暮らししていた時、母の野菜を食べなさい、食事に緑を加えなさいという教えだけは守っていた。自炊頻度は低かったが、外食する時はサラダをつける。お惣菜を買う時は肉のお惣菜だけではなく、野菜が入ったお惣菜を買うを心がけていたおかげか、風邪もあまりひかなかったし、大病はしなかった。

結婚した今でも母の教えを実践している。
私は、一人暮らしをしていた夫の家に一緒に住むという形で今の暮らしを始めた。
夫は一人暮らし時代、食事を規則的に食べていなかったという。私と暮らし始めてからは、朝食時は、パンだけの炭水化物オンリーの食事にならないように、冷凍のカット野菜を使って食事に緑色をプラスをする、一食一菜を実践した結果夫の今年の健康診断結果は、コレステロール値が半分減り健康的な数値になったという。

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今は物価高、米も魚も野菜も高い。
パンや肉の方が比較的安く買える。健康的な食事も贅沢になっていくのだろうか。
健康な食事を摂れていた実家時代、母にも感謝だが父親の経済力にも感謝しなければなと思った。
実家を出て気づいたバランスが取れた食事の大切さ、それは父親の経済力、母親の食事のレパートリー二つの力が合わさって実現されていたのであった。