発汗が快感で1年中やめられない。私を虜にするスパイスカレー

私はカレーが好き。
もし、残りの人生で「毎日カレー」か「毎日ラーメン」の究極の選択を迫られたら、間違いなく「毎日カレー」を選ぶだろう。
特にここ数年はスパイスカレーの魅力にどっぷりとハマっている。そのきっかけは、大阪に住んでいた頃に職場の近くにあったスパイスカレー専門店に通い始めたことだった。
それまで、私にとってカレーといえば、日本の家庭でよく食べられているようないわゆる「欧風カレー」のことで、「スパイスカレー」と呼ばれる独特のカレーは未体験だった。
ここ数年、スパイスカレーの専門店が全国的にブームとなり店舗がどんどん増えているようだが、元々このブームに火がついたのも大阪だという。2010年代頃から間借り等の営業形態でランチタイムやイベントといった時だけカレーを提供するお店が増え、それがどんどん広がっていく中で特に大阪では個性的なスパイスカレーを提供する店が増えたそうだ。
そんなブーム真っ盛り(?!)の大阪で、私はスパイスカレーに初めて出会うことになった。
初めて目にしたスパイスカレーは、正直なところ、私の期待とは少し違っていた。野菜や肉といった具材はいつものカレーよりも少なく見え、ルーはサラサラとしていて食べ応えがあまりなさそうだった。さらに、葉っぱや枝のようなホールスパイスがごろごろと残っているためか、どうにも舌触りが悪そうな見た目をしているな、と思ってしまったものだ。
そんなこんなで、正直、私のスパイスカレーへの第一印象は芳しくなかった。
しかし実際に食べてみるとそんな第一印象はあっけなく覆された。
スパイスカレーではよく合掛けという文化があり、複数のカレーのメニューの中から2-3種類を選び、1皿に複数のカレーを盛り付けることが出来る。また、お店によって全然違う味を楽しめるというのも魅力の1つで、私は色々なお店の色々な味のスパイスカレーを経験していくうちに、すっかりその奥深さの虜になった。
さらに今では外に食べに行くだけでは物足らず、家にカレーによく使う複数のスパイスを常備し、カレー専門店でよく見かけるバスマティライスをインド食材店で購入し、休みの日にはしばしばスパイスからカレーを作って自分好みのスパイスカレーも楽しんでいる。
辛いものが特別苦手な訳ではないが、唐辛子をふんだんに使ったラーメンや、本格的な四川料理店の麻婆豆腐など、いわゆる激辛料理といわれるものはそこまで得意ではなく、あまり自分から好んでは食べない。でも、これだけカレーにハマった今、私にとってカレーだけは違う。結構辛くても全然イケてしまう。
スパイスカレーの特徴として、使用するスパイスの種類によって必ずしも激辛になるとは限らず、中には舌で感じる辛さが非常に少ないものもある。
しかし、どんな辛さのものであれ共通しているのは、たくさんのスパイスに由来するじんわりとした発汗だ。冬であれば食べ終わった後もしばらく身体がポカポカと温まり、夏は夏で食べ終わる頃には気持ちよく汗をかくのが快感で、1年中やめられない。
こうして今年の夏も、私のスパイスカレー探索は続く。
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