25歳で叶えた人生初のウォータースライダーで成長と勇気を実感する

小さい頃から、市民プールのウォータースライダーに乗ることが私の密かな夢でした。
しかし、小学生の頃、家族で市民プールへ出かけた際、身長制限に達しておらず、私は滑ることを許されませんでした。兄は何度も勢いよく滑り降り、そのたびに「いいなあ」と羨ましそうに見上げるしかなく、子ども心に悔しさがありました。
それから長い年月が経ち、今年になって私は運動不足を解消するために、市民プール通いを再開しました。最初のうちは水中ウォーキングに専念し、冬や春は温水プールでじっくり体を温めながら歩くのが心地よく、週に1回のペースで利用していました。
気温が上がってくると、室内の温水プールはむしろ蒸し暑さを感じるようになり、外のプールへ足を向ける回数が自然と増えていきました。外には流水プール、そして幼い頃から憧れてやまなかったウォータースライダーが設置されています。水温はひんやり冷たく、照りつける日差しを受けながら入ると、体中の熱が一気に浄化されるような爽快感を味わえました。
ある晴れた休日、ウォータースライダーの待ち行列がほとんどないことに気づき、ついに私は人生初の挑戦を決意しました。
中学生や高校生のときには怖くて近づけなかった急流の滑り台ですが、大人になった私にはむしろ冒険心をくすぐるアトラクションに映ります。浮き輪を手に、順番を待つ間も胸は高鳴り、手のひらにはほどよい汗がにじみました。
ついに私の番が来て、滑り台の頂上へと階段を上りました。足下から見下ろすプールの水面がキラリと光り、滑り落ちる軌道がむき出しの滑り台を改めて目にすると、一瞬背筋が凍るような緊張が走ります。
しかし、「もう大人になったから大丈夫」と自分に言い聞かせ、決意を固めてスタート位置へ。静かに体を伏せると、係の人が「いきますよー!」と合図し、勢いよく押し出してくれました。
その瞬間、まるで風と一体になったかのように、真っすぐに滑り降りていきます。水しぶきが顔に当たり、一瞬視界が白い泡に覆われたかと思うと、スリル満点のスピードに心臓がバクバクと音を立て始めました。
身体が外に飛び出すかもしれないという恐怖と同時に、爽快感が全身を貫きます。曲がりくねったコースの最後では、勢い余って前回転を一回決め、思わず「うわっ!」と大きな声をあげてしまいました。
プールの水面に飛び込んだ瞬間、重力から解放されたような軽さを感じ、冷たい水に包まれて全身が震えました。しかしその震えは恐怖からくるものではなく、爽快な興奮の余韻でした。
25歳という年齢での「はじめて」のウォータースライダー体験は、幼少期からの夢がようやく叶った瞬間だけでなく、自分自身の成長と勇気を実感する機会にもなりました。これからも、ときには怖れていたことに一歩踏み出し、大人になったからこそ得られる喜びを大切に味わっていきたいと思います。
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