目の前に広がる湘南の海と仲間たちと炎天下で味わう最高の一杯

湘南の夏。7月に入ると、海開きがあり、海岸沿いは海の家で溢れる、私はその期間だけ、海の家でアルバイトをしていた。2ヶ月間、目の前の海を満喫しながら働ける空間。朝は早い人は7:00には出勤していた。私はいつも忙しくなる前くらいの11:00から出勤していた。海の家は近かったので、いつも自転車で行っていて、お店の前あたりに邪魔にならないように停めていた。
出勤時はドリンクを作ったり、お店の前でキャッチをしたりと、お店と砂浜を行き来していた。基本、扇風機がないので、うちわで扇いだりしながら、炎天下の中での仕事をしているので、汗は止まらず、こまめに水分補給をしながら、スタッフ同士、仲睦まじく働いていた。
すごくアットホームな海の家でアルバイトをさせていただいて、スタッフもほぼ知り合いでと同じ浜でやっている他店の人たちも、ほぼ知り合いであった。私がいたとこは、協賛でやっていたのでおじさんばかりで私が1番年下だったが、海の家アルバイト経験者でもあったので、率先してキャッチに出たりしていた。
掛け持ちしていたアルバイト先が都内のアパレルと海の家近くのBarだったのだが、アパレルの店長からは、「あまり黒くならないでくれ」と言われていたので、どうにか顔だけ守って、他は諦めた。最初はTシャツに短パンだったが、8月につれて暑さに耐えられなくなり、キャミソールに短パンで行くようになり、見事なビーサン焼けに腕と足と黒くなった。
働いているのか、遊んでいるのかわからないくらいに楽しくアルバイトをさせてもらって、そのままBarに出勤することが多かったので、周りのスタッフからも、「そろそろ向かったら?」などと声をかけてもらって、片付けは中途半端に「お疲れ様です!いってきます~!」と次はBarに出勤していた。海の家を終えてから、Barに遊びに来てくれるスタッフいて、そこもまた嬉しかった。
私のいた海の家はタイをイメージしていたので、オリジナルのカクテルがあり、赤や青、緑と色とりどりで、映えるようなカクテルたちであった。名前にプーケットとついているのもあった。もちろん、ビールもあったが、瓶ビールであり、日本のではなく、シンハーというタイのものを取り扱っていた。
本当にお客さんがいない時は、みんなとシンハーでお昼から乾杯していた。「今日も1日お願いします!!」なんて言いながら、喉を潤す。最高の背徳感があった。海外のビールでもシンハーはそこまで癖がないので、飲みやすいと思った。なによりも炎天下で飲む冷えた瓶ビールが身体にしみわたる感覚。1杯飲んでも、結局は汗で全部出てしまうみたいな感覚で、酔っぱらってしまうことはなかった。
シンハーがこの夏限定という感覚で飲んでいた私はお客さんにもよくオススメしていて、暇な日は安定に1杯飲んでいた。シンハーがなくなっていく様子を見ているのは、なんだか嬉しかった。私が好きな瓶ビールだからかもしれない。
みんなで飲む瓶ビールと目の前にある海。
この季節と湘南の独特な夏風が海の家で働いている私たちを包み込んだ。
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