1日スマホ離れは無理。それでも踏み出した初めの一歩

こういうのをなんていうのだっけか、あぁそうだ。「デジタルデトックス」というのだったなと大好きな女優が主演のドラマを思い浮かべては口にする。
デジタルデトックス。まさしく様々なコンテンツが溢れかえり、それによりスマホ中毒者が大半をせしめる現代だからこそ反するように生み出された言葉だし自分もしっかりとそのスマホ中毒者の1人だったりする。
実は私、実家を出るまでろくにネットはおろか、LINE等にて友達とも連絡を取らせてもらえるような環境にいなかったものなので、紆余曲折。からの家を離れ自由に誰からも怒られることなくネットを使えるようになった瞬間、こう…なんというのだろうか、初めは喜びよりも謎の妙な高揚感、そして大きな戸惑いがあり、頭では好きに触っていいのだと理解しつつも上手くネットに触れられる環境に馴染めなかったことをそこから2年経った今でもよく覚えている。
…まぁ、それもほんの数日のことでぼちぼち新しい環境に頭と心が慣れていくとその戸惑いも何処へやら。恐怖心も高揚感も何もかも忘れて当たり前のように、四六時中手にスマホを、或いは目先にスマホ画面があるような感覚になってしまったのだ。
今はすっかりスマホ依存もさることながら仕事も忙しく大好きだった読書もろくに出来ていない。
寝る時も動画の音を聞きながら睡眠に繋げるような毎日、料理する時もご飯を食べる時も動画、動画。
電車の中、仕事の休み時間、今さっき見たばかりなのにインスタやXを開いてはフォロワーの新しいリールや投稿がないかをスクロールするばかり。いやさっき確認してからまだ3分も経ってないやん、大丈夫そ?自分?大丈夫、なわけがない。
頭ではまた自身に何も繋がらないショートばかりを見てくだらない、情けないとハッキリと自覚してるのに、こ、この!この指が!!なんでか分からないがSNSを開いている。開いては新しい投稿はないかと確認するやり取りを何度も繰り返している。
ううん。激しくド阿呆で悲しいほどに馬鹿だ。
私みたいなことをしている人は沢山いるだろう。なので今の私の発言はその沢山の人に対しても阿呆だの馬鹿だの軽く罵倒しているようなもんだと思うが違うのだ。
日々ただでさえ生きることに対して疲弊疲労、様々な背景を抱えている人間達。満員電車の中、家に帰って寝るまでの束の間の一人時間、そんな時にぼおっと見られるエンタメがほんのちょっとの粒みたいな癒しとなるのだ。それにより投稿主だって再生数や登録者数に繋がり利益になる。つまりWin-Winというやつだ。
なので良いか悪いかと言われたら良いのだ。だって誰にも迷惑掛けてないのだし。ただ私にはやりたい夢がいくつかある。それによって金を生み出したいと真剣に考えている。つまりそういった目標があるにも関わらずそれらに手を掛けないで日々何も自身に繋がらないことに時間を費やしている。例えば同じスマホ時間でも賞に出す用の小説を書いたりしているのなら話は別だ。或いは好きな作家の小説を読んだり動画ではなく映画を観るのも良いだろう。頭の栄養になる。なのに私と来たら日々の忙しさにかまけて同じような行動パターンを繰り返しているだなんて、なんて…なんて気が弱く怠慢なのだろうか。
ううむ。とはいえ今年もあと4カ月程しかない。1年なんてあっという間なのだ。そこで私はようやくこのテーマであるスマホから離れる。つまりデジタルデトックスについて本気で取り組むことにしている。勿論『1日スマホから離れてみたった!』みたいなことも何度も挑戦「しようとした」。まぁ開始10分でそもそもその文字自体、頭から抜け落ちてしまい散々弄り倒した後でハッと気付いて後悔することが殆どなので、あくまでしようとした。にしかならないのだが。
いやというか1日スマホ離れはどうしたって無理なのだ。(言い訳)だって仕事先からの連絡や父からの連絡があるかもしれないのだ(言い訳)仕事先から緊急な用件があったらどうするのだ。父にもし何かあったらどうしてくれるのだ(言い訳)あともしかしたら私の何らかの投稿がバズるかもしれないし!(特大言い訳)
と、いうことでまぁまぁこの現代で完全なるスマホ離れは冷静に考えて最悪周りに迷惑が掛かる可能性がないこともないのでちょっとそういう企画は昭和にでもタイムスリップしてもろてどうぞという感じである。
とはいえせめてSNSからはちょっと無理やりにでも離れる「時間」が欲しいなと思った私はあるアプリに出会った。
そのアプリは1個ずつ設定ができ、自身で設定した時間まで見れなくするという機能が備わっている代物なので中々使い勝手が良い。
そしてそのアプリを使うようになってからはや一ヶ月。
日々スマホに触れている時間がかなり穏やかになり今ではタイムラインのスクロールもあまりせず、やりたいことへの勉強も順調、読書もかなり捗っていて本当にこのアプリには救われました!是非皆にも使って欲しいのです!
みたいにはそうそう現実なっていないのだが(そもそもそのアプリ2回くらいしか使ってない)
とはいえ最近また本を借りて日々ちょっとずつでも読んでいるし、こうして地道にエッセイも書きiPadでイラストの自己勉強もし、寝る時は30分ほどのタイマーモードにして眠っている。勿論、電車の中ではやはりタイムラインやリールを繰り返し開いたりしょうもない検索(食べても太らない人 体質 理由 みたいな)を繰り返しているがいよいよ焦りが大きくなり真面目に取り組まなくてはならないと身体が脳の信号を受け取ったのかもしれない。何かに大きく繋がった訳では無いが、体感的にはそこに繋がる初めの一歩という感じがする。
結局、本気で改善したいならやはり心持ちだなと思うこの頃。そして私には1日スマホ離れは本気で向いていないと強く思う今日この頃である。
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