27歳になって、ふと思った。


「今、私のまわりにいる友だちって、昔とはちょっと違うな」って。

学生の頃の友だちって、部活とかバイトとか、同じ学校っていう共通点の中で、自然と一緒にいた感じだった。特に理由がなくても「毎日顔を合わせるから仲良くなった」って人、多かったな。

でも、社会人になって、職場も違うし、住んでる場所もバラバラ、生活リズムもそれぞれ。
そんな中で「友だち」って呼べる人がいるの、すごいことかもしれないって最近思う。

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たとえば、前の職場で出会ったYちゃん。
最初は同じチームで働いてただけだったし、そこまで話すこともなかった。けど、ある日たまたま一緒にランチに行って、仕事の愚痴から恋バナまで…めちゃくちゃ盛り上がった。
不思議なことに、それまで気づかなかったけど、彼女とは考え方やテンポがすごく合う。お互いに無理して背伸びしなくても、自然体でいられる感じ。
「わかる、私もそれ思ってた〜」って言い合えるって、シンプルだけど幸せなこと。
それ以来、退職した今でも定期的に会ってるし、たまにしか連絡取らなくても、不思議と安心感がある存在。

あと、趣味のヨガで出会ったSちゃん。
年齢は私よりちょっと上だけど、波長がぴったり。最初はただ隣のマットだったのに、クラスの終わりに「今日の先生キツかったですね〜」って話しかけたのがきっかけで仲良くなった。
今では月イチで「ヨガ→ランチ」のルーティンが定番。
健康とか、美容とか、仕事の話も恋愛の話も、全部いい距離感で話せる。無理に盛り上げなくてもいいし、沈黙も心地いい。こういう関係って、学生の頃はなかった気がする。

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大人になってからの友人関係って、「気が合う」だけじゃなくて、「価値観が合う」ことの大切さをすごく感じる。
会う頻度とか、連絡のペースとか、会話のテンポとか。
それが無理なくフィットする人って、すごく貴重。

毎日LINEしてるわけでもないし、会うのも月に1回とか、もっと少ないこともある。
でも「この人にだけは今の悩み、話しておきたいな」って思う人が、ちゃんといる。
そんなふうに思える友だちがいることに、年々ありがたさを感じるようになった。

正直、学生の頃は「友だちが多い方がいい」ってどこかで思ってた。
でも、今は違う。
大人になってからの人間関係って、数じゃない。
「この人といると、素直な自分でいられるな」と思える相手が何人かいれば、それで充分。
昔みたいに、誰かとずっと一緒にいなきゃいけないとか、なんでも共有しなきゃっていう義務感みたいなものも、今はない。
むしろ、「それぞれの人生があって、それでも繋がっていたい」っていう意志がある関係のほうが、深くて心強い。

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この前、大学時代の友だちと久しぶりにごはんに行った。
学生の頃は毎日のように会ってたのに、社会人になってからは年に一回会うかどうか、みたいな関係に。

それでも、会った瞬間「変わらないね」って笑い合えて、昔話も今の話も自然にできた。
昔とはちょっと違うテンポになっても、お互いの人生をちゃんと尊重できる。
「久しぶりに会えてよかった」って、心から思えた。
たぶん、大人になってからの関係って、
「これから先も一緒に成長していけるか」っていう感覚も大事なのかも。
今の仕事のこと、将来のこと、結婚や出産のこと。
それぞれが違う道を歩いてても、「話したい」と思える関係でありたい。

今の私は、「ちょうどいい距離感で、深く繋がれる友人関係」を一番大切にしてる。
なんとなく会うんじゃなくて、「この人と時間を過ごしたい」と思える相手。
無理しない、頑張りすぎない。でも、ちゃんとお互いを思いやれる。
大人になってから出会った友人たちは、
きっとこれからの人生でも、大切にしていきたい存在。

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「友だちってこういうもの」っていう固定観念から自由になって、
自分にとって心地よい人間関係だけを選んでいけるようになった今。

気づけば、「友だち」に対する価値観も、ずいぶん変わったなって思う。
これからも、仕事やライフステージの変化で、関係性が変わっていくこともあると思う。
でも、その中で残っていく関係って、きっと本物だと思うから。
大人になってできた友だち。
それは、なんとなくじゃなくて、「選び合ってできた関係」。
だからこそ、かけがえのないものなんだろうな。