損得勘定じゃ友情は面白くない。ノリで仲良くなった14歳上の友人と私
最近いちばん仲良くしてもらっている友人は、私より14歳年上だ。
東日本大震災の時は小学生だった私に対し、友人はすでに社会人だったそうなので、そう考えるとそこそこの歳の差だと思う。
でも普段は別に歳の差を感じない。たぶんそれは友人が私の幼さを許容してくれているからで、私もまた良い意味で彼女を「ひとりの人間」として慕っているからだと思う。
ちなみに、別に趣味がものすごく合うっていうわけじゃない。友人はサッカー観戦好きで、推しのYoutuberがいるタイプ。私はダンスをちょこっと嗜んでいて、漫画とアニメとドラマと小説が大好き。唯一(唯二?)合うのは、お酒好きとコナン好きってところ。ちなみにお互いコナンが好きっていうのは、知り合って2年経ってから判明した。だからずっとお酒で繋がっていた仲ってことになる。
まあそもそも、友人と私は職場の先輩と後輩だから、飲み会ではいつも職場の話をしていたのだ。
最初からそんな特筆して仲が良いわけじゃなかった。歳も離れていて普段の業務担当も別々だから、そう頻繁に話すこともなかったし。ただなんとなく、人当たりの柔らかい人だな~としか思っていなかった。
なんで仲良くなったのかというと、とある不憫な同僚のストレス発散場所として、友人と私を含めた有志飲み会チームが結成されたのが大きかったように思う。我々には共通の敵管理職がいて、日々パワハラもどきを受けていた。不憫な同僚は最たるパワハラ被害者だった。我々は良く飲み良く食べ、対・パワハラ管理職で一丸となって気炎を燃やしながら、何とか日々を乗り越えていた。
友人とその飲み会以外でも遊びだしたのは、いつだっただろうか。たしか私が彼女をサシ飲みに誘った後からだったように記憶している。
だんだん仕事終わりの突発的なサシ飲みが増えて、お互い遊び好きだったのもあってサシ飲みの最中にノリでスポーツ観戦や映画鑑賞の計画を立てて、それから2カ月に1回くらいの頻度で遊ぶ仲にまでなってしまった。ちなみに今度旅行にも一緒に行く予定である。
こういう友達ができて思うのは、やっぱりお酒がお互いへの親しみに拍車をかけるのかなということと、勢いとノリの良さって大事なんだなってことである。
変に尻込みするんじゃなくて、誘いたいなーと思ったらとりあえず投げかけてみる。断られても気にせず、また誘いたかったら行ってみる。そういうので案外するするっと仲良くなるものである。振り返ってみると、私は学生時代からあまり友達の作り方が変わっていない気がする。
やっぱり友達っていうのは、損得勘定とかで考えると面白くないのだ。不思議なことに、なんとなーく、心のままに、ノリで作った友達ほど長続きする。ちなみにうちの母は「友達ができない」と嘆いているが、私に言わせればとりあえず何も考えずに誘ってみればいいだけである。たしかに家庭がある人だとそんなに遊べない場合もあるかもしれないが、たまにランチに行くだけで全然いいと思う。友人と私はたまたま職場が同じで、かつ今はお互いフリーなので、2人で良く遊ぶけれど、私には年に1回会うか会わないかの友達の方が多いし、そういう相手でも友達だと思っている。
あんまり深く考えずに、楽しければ一緒にいる。それくらいで友達なんていいのだ。
ついでに恋人もそんな感じでよければいいのになあ、いや本当はそんなんでいいのかなあ、なんて、恋人があんまり続かないコンプレックスの私は思っていたりする。

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