26歳の時、結婚した。俗にいう『結婚適齢期』だ。

私は、広島で生まれ、広島で育った。
両親は私が2歳のころに離婚し、母に育てられた。
母はバツ2だ。

正直なところ、夫婦というものを知らずに育ってきてしまった。
今は、シングルマザーも普通になってきたが、
当時の田舎では、少し目立ってしまう『かわいそう』な存在だった。
だけど、そこに何のコンプレックスも無い。
周りの評価を気にしない、自己中心的な性格で良かったと、つくづく思う。

結婚したいと口にしていたものの、心からの結婚願望はなかった

それから時は経ち、20歳の時に、特に何の夢もなく上京した。
よく周りからも、「どうして上京したの?」と聞かれるが理由はない。ただ、なんとなくだった。

今の結婚も東京で決めた。
結婚をを決めるまでに、たくさんの恋愛を重ねてきた(つもり)だ。
恋愛すると女はきれいになると信じていたし、今でもそう思っている。
周りには「結婚したい!」とも、口にしていたが、本音は、『「結婚したい!」と言っている自分がかわいい!』だった。
つくづく自分大好き人間だという事が伝わるだろうか。

私は、心からの『結婚願望』は無い。
なぜならば、離婚を2度見てきたからだと思う。
父親がいない事へのコンプレックスは無いと話したが、寂しい思いをしたことはあった。

母は、女手一人で育てるために、高級クラブのホステスとして働いていた。
そうすると、幼い私は昼間に幼稚園へ通い、うちで夜ご飯を食べた後、託児所へ行く。そんな生活を繰り返していた。
ホステスの給料は良いらしく、不自由はなかった。
だが、寂しかった。夜はお母さんと一緒に寝てみたかった。

結婚願望の無い私が結婚した理由は、「プロポーズされた」から

また、当時通っていた幼稚園では、父親が参加する『父親参観日』があった。
おともだちは、若くてかっこいいパパが来てくれる中、うちはハゲたおじいちゃんが参観日に来てくれた。
今思えば本当に感謝するべき事だが、当時はそう思うことが出来なかった。
今は『父親参観日』なんて、どこの幼稚園・保育園でも無くなったらしいが、無くして正解だと思う。もう、同じように寂しい思いを多感な子ども達に感じて欲しくない。

だから単純に、片親で育ったが故に『寂しかった。』というのが本音。
母から愛されていないという訳で無いことは幼いながらにも分かっていたし、生活の為だという事も理解していた。
そんなわけで『結婚願望』よりも『寂しくさせない生活』を求めていた。
結婚がゴールだとも思えない。

そんな私に転機が来たのは3年前の事だった。
結婚願望の無い私が結婚した理由。
『プロポーズをされた』からだ。

特に断る理由はなかった。
きっとこの人なら離婚することはないだろうと思っても、未来の事は誰にも分からない。

20歳の頃、上京した時の気持ちと同じ。
なんとなく。大丈夫そうだったから。

結婚に身構える必要はなく、もっとシンプルに考えればいいと思う

『結婚』に身構える必要はないと思う。
もっとシンプルに考えればいい。年下、年上どっちでも良い。
『寂しくさせない生活』であれば良いと願うが、今の結婚が正解だったか、今でも答えは出ない。
今のところは大丈夫そうだ。ただそれだけで保証はない。

今の夫はとても真面目な人だ。
毎日同じルーティンをこなし、寝る前には日記を書いている。
曲がったことも嫌いだし、両親は離婚していない。
お互いに束縛もなく一人の時間も自由にある。まるでシェアハウスの住人のよう。
だけどお互い、心から愛している。
一般的な夫婦の姿は知らないが、小さい頃おままごとでなら夫婦役を演じたことがある。
こんな感じで正解なのかな?

ただ、結婚してみて確実に感じた事が1つ。
『結婚してよかった!』

29歳になる今、これから子供についても夫婦で考えていきたい。
ここからが本当の勝負だ。
自分の子どもが20歳になった頃に、答え合わせができると良いなと心から願う。