「親との生活、あと1年?」
と聞いて想像するのはどんなことだろう。

大学3年生の春、わたしは漠然とした夢と目標でいっぱいで「わたし」に夢中だった

進学までの残り時間?
就職が決まって、一人暮らしを始めるまでの期間?
結婚して家を出ていくまで一緒に過ごす時間?

いろんなタイミングを私も考えた。

上京して。
学校という枠を卒業して。
社会に出て。
彼氏と住んで。
結婚して。

きっといろんなタイミングで一人暮らしを始めるオンナノコはたくさんいるだろう。
私も、そんな中のひとりだった。

大学3年生の春、就職活動に勤しむわたしは、
「あぁ、毎日楽しく働きたいな」
「どんな仕事が自分にあうだろう」
「良い人と良いタイミングで結婚できたらいいな」
「結婚しても働きたいな」
という漠然とした夢と目標でいっぱいで、「わたし」に夢中で一生懸命だった。
(いま振り返ると、こんなわたしすら愛しい。これが成長、なんだろうな。)

『あなたが親と一緒に過ごす時間は、一生で"1年"もない』。私の人生観が変わった

そんななか、ある就職活動中に某携帯キャリア大手のトップ営業マン(元)に出会った。
その人は、人の心を惹き付けるのが本当にうまかった。
人柄はもちろん、話し方も、考え方も、伝え方も研ぎ澄まされていた。
この人の言葉で、わたしの人生観が変わったのだ。

『親と、あと1年弱。これは何を意味すると思う?』
根は真面目のわたしは、考えに考えた。

「もし親が、あと1年くらいしか生きられない、と言われたら、ってことかな。わたしも歳を重ねてるから、親も老いてきてるし……」
「あぁ、これから上京する子達や就職して家をでる子達は、大体1年くらいしか親と一緒にいられないか。」
その人は、どの答えも間違いじゃない、といった。
そして最後にこう紡いだのだ。

『あなたが親と一緒に過ごす時間は、一生で"1年"もない。これは他人事ではないんだよ。

仕事が始まると、今まで以上にしんどいことがある。
がむしゃらな時もある。
楽しいときも、もちろんある。
職場のことで悩むときもある。
彼氏や旦那さんのことで悩むときもある。
一人を悩むときもある。

そんななかで、想像してほしい。
これからの忙しい君たちの人生で、あと何回、親に会えるか。あと何回、実家に帰るか。』

親と、あと、何日?社会人生活6年目が終ろうとしている今、わたしはいつも振り返る

ハッとした。
自分のことでいっぱいいっぱいだった就活。
もっと遡れば、自分のことと友達のことだけ考えてきた、長い長い学生生活。
それを支えてくれた、親のことは?
ちゃんと考えたことがなかった。

18歳に進学で上京したわたしは、そこから一人暮らし。社会人生活も、もちろんそうなる予定だ。
働き出したら、バイトと勉強だけのいまよりも、きっと忙しい。
きっとお盆と正月くらいしか帰らないだろう(今だってそれくらいなんだから……)。
2~3日帰ったとして……。あぁ、300日すらなかった。

……この日から時が流れて、早くも社会人生活6年目が終わろうとしている。
この言葉を片時も忘れず……なんてのは理想で、現実は忙しくて親への連絡が1ヶ月近くできていないときもある。

でも、それでも、いつも振り返る。

あと、親と何日話せるか?
何回、会えるか?

友人が続々と結婚していくなかで、育児と仕事に追われ、実家に帰っていない様子をみる。
旦那さんに気を遣って、実家には1年に2回、半日ずつしか帰らない、という話をきく。

親と、あと、何日?