将来の夢は保育園の先生。
私の夢は、小学校2年生の時からそう決まっていた。

夢見ていた保育園の先生。でも、私は「向いていない」ことに気付いた

そのまま中学、高校と普通科に進学し、4年生大学の保育科へと進んだ。全て予定通り、卒業後は長年望んでいた先生になり、子どもたちに囲まれて笑顔の日々を過ごすはずだった。

が、予定と違ったのは、私に先生は向いていないという事実だった。なぜだろう。高校時代も自ら夏休みに幼稚園でボランティアをしていたし、軽い気持ちでなく先生になる大変さも分かっていたつもりだった。

「あれ、先生向いてないかも。」そう思い出したのは、初めての実習を迎えてからだろうか。いや、大学に入学した時から、周りとの温度差に気付いていたように思う。

事実を認めて、夢を失うのが怖かった。今思い返すと、本当はもっとずっと前から、その事実に気付かないふりをしてきたのかもしれない。

幼稚園・保育園の就職活動は、例年大学4年生の秋頃から始まる。それに対して、一般企業の就職活動は、大学3年生の3月1日から始まる。

先生は向いていないと思いつつ、一般企業に進む決断も出来ずに悩んでいた私は、就職支援の先生の「とりあえず一般の就活してみたらいいじゃない。保育に進むなら、また秋に考えたらいいし」という言葉に背中を押され、就職活動を始めることになった。

しかし、これまで先生になる以外の進路を全く考えてこなかった私は、他にやりたいこと、受けたい企業が全くもって思い付かなかった。

さらに、一般企業を受けると決めたのが大学3年生も終わりの時期だったため、インターンシップを受けることも出来ず、自己分析も業界分析もままならない状態で就職活動に挑むことになった。

自分で「やりたいこと」を見つけている友達が眩しく見えた

そして迎えた3月1日。私は事故にあった。幸い命に別状はなかったが、1ヶ月間自宅で安静にすることを余儀なくされた。

「なんてついてないんだろう。このまま助からなければ良かった」そう思った。
未来に希望が持てなくなっていた自分がどん底に落ちるには、大きすぎる出来事だった。

そこから本格的に就職活動を始められたのは6月頃だったが、周りの友達は続々と内定をもらい、就職活動を終え始めている状態。

何がやりたいか、何が出来るかも分からなくなっていた私にとって、自分でやりたいことを見つけ、夢を掴んでいる友達はみんな眩しく見えた。

そこから私は、やりたいことを見つけて会社を受けるのではなく、やりたいことを探すための会社を受けることにした。この考え方が、合っていたのかは分からない。「甘い。仕事を舐めるな」と言われるとも思う。でも、私にはその選択肢しかなかった。

やりたいことを探すために入った会社で、自分の得意なことを発見した

そして、内定をもらえた会社に、新卒として入社した。新卒入社から数年の月日が経ち、今は全く違う会社で事務職として働いている。

やりたいことを探すために入った会社で、私は事務仕事が得意だということが発見できた。人と話すのも好きだが、パソコンに向かって仕事をしている時が、1番ストレスなく自分の力を発揮できているように思う。

しかし「これがやりたいことか」と聞かれると、自信を持って「YES」と答えることはまだできない。

ただ、当時と違うのは、色々なことに興味を持てるようになったということだ。入社の年から勉強を始めた英語は、TOEICでスコア275から880まで伸ばすことができた。

そんな私は、今は出来ることをやりながら、本当にやりたいことを見つけ、その夢を掴む為に今日も働いている。