今日もニュースでいろんな不祥事が暴かれ、世間が騒ぎに騒いでいる。特に“初の女性○○”だった方のニュースが私は興味がある。
といっても、興味があるのは不祥事の内容ではなく、“初の女性○○”のという肩書きが頭について報道されていることだ。どうも違和感があるんだよな、と思うんだけど、なかなか声に出していうことができない。たぶんこういう考えは少数派なんだろうなと思うからだ。

“女性が活躍し始めている象徴”。いいことだけど、そればかりでは…

私自身、去年の9月に会社で初の女性スーパーバイザー(試用期間つき、SV)となった。複数店舗を管轄する役職で、エリアマネージャーのようなものだ。
この出来事によって、女性社員からはとても祝福された。上司からは「4月から入社する女性の新入社員から見たら、社員→店長代理→店長→SVのイメージがつきやすくなるんだよ」と言われた。
“初の女性○○”は“女性が活躍し始めている象徴”で、いいことなのだ。

しかし、いいことばかりではない。
実際SVになって、SV以上の会議に参加していると、当たり前だけど女性は私1人だけで心細い時がある。ちょっと重い社用パソコン(SV共通)を1人でえっほえっほ言いながら持ち運んで、管轄店舗を巡回している時もあるのだ。こういった体験をする度に「これじゃあ女性SV増えないよなぁ。ものすごく体力いるもん」と考えてしまう。

そう、(よく使われている)“初の女性○○”は、“先進国である日本が、まだまだ女性が活躍できていない証拠”とも捉えることができるのだ。

なぜか悪いことがあった時の方が、この肩書きは目立ってしまう

たちが悪いのが、この肩書きがずっとついて回ることだ。
冒頭で書いた不祥事の件も、「この人、“初の女性○○”なんですけどねぇー」と言われてしまう。偉業を成し遂げれればかなり名誉のある肩書きなのだが、なぜか悪いことがあった時の方が、この肩書きは目立ってしまう傾向にある。
そもそも不祥事自体は、“初の女性○○”だから起きたことではない。その人自身に何かしら問題があったから起きたことなのだ。
それなのにこの肩書きのせいで、「これだから女は…」と遠回しに言われているような感じを受けてしまい、ますます女性が活躍しづらくなるのでは?という考えになってしまう。保育士さんや育児休暇取得は男性が少なめなので、これもきっと似たようなことが起きているのではないだろうか。

ここで1つ提案をしたい。“初の女性○○”や“初の男性○○”という肩書きは、就任直後の1週間はそれで呼んでもよいが、その後はその肩書きで呼ばないこととする。

“2番目”“3番目”の存在を、早い段階で作る必要があるのでは

なぜ1週間にしたのか。今まで男性のみ・女性のみだった職場の中に初めて異性が入ったことは快挙ではあるので、1度は口にしてもいいと思うからである。就任したばかりの本人にとってはそれがモチベーションになることもあるからだ。
ただずっと言われ続けるとプレッシャーになり、本来の力を出せない可能性がある。3日は短い気がするけど、1ヶ月は長いと思ったので1週間という期間にした。

もっと大事なことは、「初の女性○○、すごい!」で終わらせるのではなく、“2番目の女性○○”を早く輩出することだと私は思う。「女性1人だから」と少数の居づらさを感じてしまって、せっかくの役割を辞めてしまう等、ますます女性の活躍のチャンスを逃してしまうことになりかねない。だからこそ、“2番目の女性○○”“3番目の女性○○”の存在を早い段階で作る必要があるのではないだろうか。

さらに理想を言えば、役職ごとに男女まんべんなく配属されていて、助け合うということ。やはり“男性らしさ”、“女性らしさ”というのは必ず出てくるからこそ、男女比が半分ずつであれば、いろんな意見がぶつかっていいものになる。それで会社は・社会はもっとおもしろいことになると私は考える。
そんな社会になってほしいと願いながら、私も日々戦っていきたい。