「え、化粧品? 化粧品はもっと学歴が上の人たちをとるから難しいね。他には?」
「建設? 建設は、文系女子とらないからやめた方がいいよ。建設にとって文系女子は、最終手段って感じだもん」
「事務? 事務はいろんな人が滑り止めで受けるから、結構門狭いよ」

大学受験頑張ったら、楽して就職できるなんて言った人は誰だっただろうか。たかが、30分程度のキャリア相談で、私の人生はここまで可能性が閉ざされてしまう。私のことなんて31分前まで知らなかったこの人に「価値のない人間」のように言われたのが悔しい。

お祈りメールが来る度「価値のない人間」と言われているみたいだ

就職活動が3月に解禁された。会社説明会を聞いても、自分が働いているところを想像できないし、就職活動をするために生まれてきたかのような書類なんて埋まらない。奇跡的に書類が通っても、面談で落とされていく。

私が最もなりたくなかった「価値のない人間」を、嫌でも、“お祈りメール”で痛感させられる。SNSを見ると、“お祈りメール”をもらった子たちが病んでいた。私はそこまで「悲しい」とは思わなかったけど、やはりプライドがずたずたになっていく。

もう、就職活動やめてフリーターになろうかな、と私はいつも口に出す。私は就職活動なんて本気を出してませんよって周囲にアピールしてしまう。これは、私の高いプライドのせいだ。

中学受験で第一志望に行くことが出来なかった経験から、大学では必ず有名なところに行きたかった。周りの人たちに一目置かれる、「デキル人間」になりたかったためだ。
勉強が嫌いでなかったこともあり、奇跡的に入学できた。しかし、入学したら大学の友人は皆この大学は第一志望ではなかった。上には果てしない上がいることが分かった。

自分は何色?の問に答えたらあっさり落ちた。私の価値は私が決める

話は就職活動に戻るが、就職活動のことを考えることはめちゃめちゃに嫌だ。しかし、私立の中高一貫校、大学受験のための塾、私立の大学に通わせてくれている両親のことを考えると、申し訳なさで消えてしまいたくなる。いいところに就職するために今まで両親は私にお金をかけてくれていたのだ。

それに対し、私は第一志望の受験に合格したところで人生の目標が終わってしまった。「価値のない人間」になりたくないけれど、大手企業から内定をもらえるほど今までの人生何か偉大なことを成し遂げたわけでもない。

就職活動では、志望動機や学生時代頑張ったことのほかにイレギュラーな質問をされることがある。例えば、「動物にたとえるとあなたは自分自身を何だと思いますか?」や「あなたは自分自身を何色だとお考えですか?」というものだ。
社交的だったらイルカ、黄色などと言う風に答えるらしい。ここで見たいのは、どんなイレギュラーな質問に対しても対処できるかどうかを見る質問らしい。

某大手企業の子会社の最終面接に行く電車の中で、上の回答を覚えた。
あっさり落ちた。
その時やっと理解した。私はまだ、何色なのか定かではないということを。
私は何者なのか、何色なのか、しっかり自分を見つめなおさないといけない。
私に「価値があるかないか」だなんて、私が決める。