今年、私が大好きな戦隊ヒーローが誕生から45年が経った。
世界を守っているように見えて実は身近な人を守っているヒーローたち。1年かけて一人前のヒーローになっていく姿が本当にかっこよくて、毎年最終話は泣きそうになってしまう。

そんな私の身近には、今年で59周年を迎えるヒーローがいる。私のパパだ。

いろんな引き出しがあるパパに憧れた私は、たくさん勉強した

パパはたまにデリカシーのないKY発言をする。
あんまりご飯の準備をする方ではない。
お酒を飲んだときはたくさんお話ししてくれるけど、普段は人の話を聞いているのかよくわからない。そんなだから、たびたびママを怒らせている。
あれ、どちらかというと、怪人なのかな。

活字オタクのパパ。部屋はまるで図書館のよう。毎朝新聞を読み、休日には本を読み、夜には日記を書いていた。その真似をしたくて、私もとにかく本を集めて読んだ。
アマチュアスポーツオタクのパパ。高校野球や箱根駅伝を見ていると、「あの年の対戦相手がまたあたったのか」「あの監督以来の優勝か」。学校名だけじゃななくて、監督や選手の名前、大会年がすらすらとでてくる。

いろんな引き出しがあるパパに憧れて、私もたくさん勉強した。
バンド音楽が好きなパパ。楽譜は読めないけど、聴けばギターやピアノで演奏できる「耳コピ」の天才。ピアノの発表会で生徒じゃないのに出演して盛り上げていたよね。心地よいテノールボイスでママとハモってるドライブ中は、お客さんは私だけのぜいたくなコンサートだった。

パパは気づいてないかもしれないけど、私の人生はパパが守り、導いてくれてるんだよ。

合唱を始めたのも、中学受験をしたのも、パパがきっかけ

合唱を始めるきっかけを作ってくれたのはパパ。「子ども100人で作るクリスマスコンサート」の告知を新聞で見つけたパパが、ママに勧めてくれた。それが私の長いながい合唱人生の始まり。

小学校はいじめられていて楽しくなかったけど、合唱団という居場所があったから、毎週末の練習を楽しみに小学校に通えました。

中学受験をしたのもパパの行動がきっかけなんだよ。
休日、パパと一緒に行った近所の古本屋で買ってくれた「カードキャプターさくら」。あの世界観にあこがれて、私立中学を受験しました。ローラースケートで通学はできなかったけど、高校生のかっこいい先輩にミーハーしたり、それなりに恋をしたり、いつも私の幸せを願ってくれる友人に会えたり。

あのマンガを読んでなかったら、私の性格や進路はちょっと違ったんじゃないかな。一冊100円の古本がきっかけでその後、12年間も私立校生活をしてしまいました。懐を痛めていたらごめんなさい。

口下手だけど、家族ホリックな一面を持つパパは一番のヒーローだ

パパは口下手だし、仕事が忙しくて家ではすれ違いが多かったね。あんまりおしゃべりしなかったし、合唱の演奏会に来てくれてもそんなに感想は言ってくれなかった。ちょっとさみしかったな。

だけど、「愛恵は歌っているときがいちばんいい顔してるな」ってママに話してるの知ってるよ。面と向かって言われたら、照れちゃうな。

パパが毎朝新聞を読む姿がかっこよくて、あこがれだったんだよね。愛読紙に私の名前が載ってたらうれしいかな。志望動機には書かなかったけど、そんな思いを胸に記者生活を送っていました。

ワーカーホリックなパパ。だけどママと結婚するために仕事を変えた、家族ホリックな一面も知っているよ。ママと結婚してくれてありがとう。

戦隊ヒーローに仮面ライダーにウルトラマン。地球を守ってきたヒーローはたくさんいますが、私にとってはパパが一番のヒーローです。

パパはもうすぐ59周年。ママがドライブや温泉旅行に行きたがってるから、あと1年、体を壊さないでね。