私は父と仲が良い、と思っている。中学、高校の時はよく2人でカフェでお茶とか、買い物とかしていた。世間では父親と仲が悪くなる時期といわれるが、そんなことはなかった。

遺跡巡りサイクリングとか、本屋ツアーとか色々行った。そういえば、2人旅したこともあった。2人で銀座をウロウロしたことも。遊園地に行った時は、大体父と行動を共にする。他の家族は絶叫系アトラクションが嫌いだから。ドライブにも良く連れて行ってもらっていた。舞鶴とか、奈良とか、結構あちこち行った。

父とよく出かけるけど、特に話すことはないでも、それが心地いい

父は突然出かける。遺跡巡りサイクリングは「おい、行くぞ」とだけ言われて、何ですか? と思いながらついて行ったら、20km漕がされることになった。せめて、目的地やどのくらい漕ぐかだけでも教えて欲しい。何にもしてなかったから、両腕が真っ赤に日焼けした。

家を出た今は機会が減ったが、それでも折を見てよく一緒に出かける。2人で出かけるけど、特に話すことはない。基本的に無言だ。でも、それが心地いいと思う。

父は、かわいい。例えるなら、犬。戌年だし。表情はあまり動かないが、嬉しい時はぶんぶん振ってる尻尾が見える。…おいしいケーキを買って帰った時とか。そういえば、父は犬が好きだ。好きなキャラクターは、スヌーピー。持ち物をよく見ると、全部にスヌーピーが付いていたりする。子どもの髪を頭の天辺で結うのがうまい。昔マルチーズを飼っていた名残だそうだ。ちなみに、父は猫が嫌いだ。理由はよく知らないが、アレルギーだからかもしれない。

私の見た目は母に生写しのようだが、中身は「そのまま父」だと思う

父は動物に好かれる。街中で歩いていると、散歩中の犬なんかが振り向いてくる。水族館や動物園なんかでは、よく絡まれている。宮島に行った時は、鹿を3頭ほど引き連れて歩いていた。本人曰く、「勝手についてきた」らしい。なぜか種を問わず好かれている。プリンセスなんだろうか。

人見知りで、我が家の中では無口な方だ。賑やかな母とは正反対だななんて思う時もある。そんな父は、母が大好きだ。おいしいケーキ屋さんを見つけたら、真っ先に「母ちゃんに買って帰ろ」と言う。面白いものを見つけたら、ニヤニヤしながら母に見せに行く。そこは、母と残念なことに喧嘩ばかりの私と似ていない。

それでも、私は父に似ていると思っている。見た目は母に生写しの私だが、中身はそのまま父だと思う。食の好みも、考え方も似ている。考えていることも大体分かるし、欲しいものなんて手に取るように分かる。誕生日の時は、あげたいものが多過ぎて迷う。

父に伝えたいことは、父が思っている以上に私は父が「大好き」だ!

驚くことに服の好みも似ている。私は女性だけど、父と服が被ったことが何度もある。ストライプのシャツにチノパンとか、青チェックのシャツに黒のパンツとか。出先で落ち合う時は要注意だし、家を出る前に発覚した時は早いもん勝ちと言うことで、強制的に私が着替えることになる。曰く、「わしは30年前からこのスタイルしてた」らしいので。

読みたい本を、既に父が買っている事も多い。何なら出先の本屋でばったり出会したことすらある。だから、今更父に改まって伝えること、ないかもしれない。私がこれだけ父のことが分かるなら、向こうも私のことを分かってるんじゃないかなと思う。

けれど、1つだけ伝えるとしたら、1つだけ向こうが分かっていないとしたら、父が思っている以上に私は父が大好きだということだろうか。気兼ねなく会えるようになったら、また一緒にカフェ巡りやスイーツ巡りの旅に行きたい。