私が小さい頃、父さんは仕事もせずパチンコばかりでしたね。
負けて帰ってきたり、パチンコに行けない日には6畳2間ほどの部屋を荒らし、模様替えを急に始めたりするから、母さんと外にいつも出てたよ。

仕事をしていなかった父。私よりパチンコが大事なんだと思っていた

私が高熱を出した時、父さんはパチンコにいたよね。爺ちゃんが代わりに付いてきてくれたよ。私よりパチンコが大事なんだと思った。仕事してない父さんは、朝も遅くまで寝ていた。幼稚園行く時も寝てる父さんが羨ましかったよ。

お金がないから、ご飯はちくわを炒めたもの、玉ねぎ、ベーコンの卵とじが多かったよね。私が小学生になった頃、父さん仕事は始めたけど、パチンコはまだ続けていたね。段々エスカレートしていって母さんまでも連れていくようになったよね。

平日は夕方から、休日は朝から閉店まで。朝起きたら机の上に朝、昼の弁当とお菓子が置いてあって姿はない。不安で電話してもでてくれない。タイミングよく出ても、「あと少し」と言ったきりで帰ってくるのは閉店後。

父さんが母さんまで連れていくから、弟が寂しがってずっと泣いてたの。その姿見た時、正直死ねばいいのにと思ってしまった。

パチンコで負けて帰ってくるとイスや物が飛んできて、1番酷かったのは大晦日に負けて帰ってきて、お茶碗投げたよね。天井に米粒がついて、いまでもわざと付けたままにしてる。学校から帰る時にいつも思っていたよ。今日も弟と2人か、てね。

私と弟のお年玉を借りて行っては、0になって帰ってきた時はやばかった。
しかし勝った時、高級なゲームを買ってくれた。おいしいお肉も。

金遣いの荒い父を恨んだ。私が欲しかったのは父との時間だった

でもね父さん、私達が欲しかったのは、ゲームでもステーキでもお菓子でもお金でもない。父さん、あなたとの時間が欲しかった。

プール、映画館、カラオケにも行きたかったし、そうめん流し、キャンプ、BBQもしたかった。母さん泣かすし、部屋荒らすし、金遣い荒い父さんあなたを恨んだ。憎くて憎くて、殺したいと思ったこともある!

そしてある日、アルバムを母と見ていた時に父と私の話を母にしてもらった。
昔お金がなくて魚が2匹しかなかった時、父さんは身を全部私に食べさせてくれて、父さんは骨についた身をしゃぶってたんだって。

またラーメンのメンマは、お前が好きだからっていつもくれていたと。
私が眠るまで絵本を読んでくれて、お風呂にも一緒に入って身体を洗ってくれていたらしいね。

お金がないから子供育てることができなくて、消費者金融にお金借りて、それを返すためにパチンコで稼いでたんだね。それに、お父さん鬱病だったから仕事が出来なかったと聞いたよ。

家族のために頑張ってくれていたことを知った。父さん、ありがとう

誰にも頼れず必死に頑張ってたんだね。知らなかったよ。父さん、ごめんね。
今では身体も痩せて髪の毛も薄くなり、痩せた手足、浮き出た頬骨、小さくなった背中を見る度に、悲しくなってきます。現在還暦を超えてでも仕事を頑張る父さんは、本当に偉大だと思う。

10年前ぐらいからパチンコには行ってないね。今まで父さんが高級な物買ったり、女遊び、飲み歩いたりするのを今まで見たことなかった。

家族のために本当に頑張ってくれたんだね。これから残りの人生、自分のことを大切に、やりたいことをいっぱいしてほしいです。

本当にありがとう。