「入社2年目で妊娠、産休育休。キャリアに爪痕を残せなかった私が復帰する理由」のエッセイを書いた私のその後を書きたいと思う。
私がエッセイを投稿したのは、育休中のタイミングだった。その頃は、とにかく職場に戻ることの不安と恐怖があって、どうにかして元いた職場に戻りたくないという思いが強かった。
転職も視野に入れていた。だけど、相談に行ったハローワークの窓口で「あなたの経歴じゃ、それ以上の環境を求めるのは難しいですよ」と言われてから、そうだよなぁという思いと、それでも納得いかないなという思いがせめぎ合っている時にエッセイ投稿をした。
気持ちをエッセイに書くだけじゃなく、職場の異動交渉を上司にした
エッセイが採用された時、すごく嬉しかった。自分の書いた文が、思いが、受け入れられて認められた気持ちになった。けれど、私が求める「認められる・受け入れられる」というのは、やはり職場においてだった。
こんな文を書くくらいなら、直接上司に訴えたほうが良いのでは? そんな気持ちになり、いろんな気持ちを募らせて、やっとの思いで異動交渉に出た。
異動交渉は、とても難航した。こちらが異動をしたいと言っても、元上司はイエスもノーも言わず、当たり障りのない挨拶のようなメールを返してきた。
私にとってストレスだった。それならばと、「職場に戻るのであれば、私には何の仕事が割り振られるのか」と聞いたが、それもハッキリとした答えが返ってこなかった。
唯一分かったことは、部署メンバーのフォロー役に回るということ。それはつまり、雑用係だった。電話番をしたり、コーヒーメーカーを洗ったり、湯呑みを洗ったり……。
交渉をしてもなかなか進まない異動の話。ある日、上司から連絡が来た
自分のポジションを後輩に奪われ、後輩が活躍する姿を見ながらそんなことをする自分……。想像するだけで胸が苦しくなった。それに、復職が近づいてもなお私に対してそのような扱いをする上司に苛立った。
ただ、この状況を打開するには粘り強く交渉するしかなく、どうしても無理ならば、本当にダメな時に退職しようと思っていた。
異動交渉をし始めてから3ヶ月ほど経ったある日の深夜、上司から急に連絡が来た。「あなたが本当に異動したいというのなら、異動申請を進めます。どうしますか?」と。
率直に驚いた。けれど、答えは決まっていたのですぐに連絡した。それは復職を1ヶ月後に控えていた時だった。そこからはとんとん拍子でことが進み、無事に異動することができた。
異動の件から、自分の意見をはっきり言うことを心掛けるようになった
そして、異動した今、異動して良かったと思っている。ひとつは、職場の雰囲気が前の職場より良いこと、もうひとつは、仕事内容が自分にあっており、やりがいを感じる事が理由だ。無理しなくて良くなったのが本当に大きい。精神的に本当に楽になり、復職前に頻繁に感じていた喉の異物感を感じなくなった。
あとは、今回の経験から意見をはっきり言うことを心掛けるようになった。自己中心的な言い方をしては良くないけれど、かと言ってあまりにも意見を言わず、言わなくても自分の状況は周りにわかってもらえるだろうと思っていると、都合の良いように扱われていくということを学んだ。だからこそ、自分の意見は相手にはっきり伝えることを意識して行うことにした。
その結果、前職の時よりも現職では、周囲とのコミュニケーションがより活発に行うことができるようになったと思う。そのためか今、自分が面白いと感じる仕事をさせてもらうことができている。
運や時代の流れが、味方になってくれた部分も大きいと思う。だから、この状況に甘んじてはならず、常に考え、いろんなことを学び続け、努力し続けたい。
自分のキャリア構築はまだ道半ばで、今は順調に思えても、途中でつまずいて思うように上手くいかないこともあると思う。けれど、苦い思いをした経験をバネに、仕事や子育てを含めた自分らしい生き方を実現していきたいと思う。