正直、もう会うことのないような知り合いが、今何してようがどうでも良い。
更新頻度が多い人のInstagramをみるたびにそう思っていた。
しかし、気になっている人や好きな人が更新した時は、興味津々である。
SNSが原因で彼と喧嘩。心配した矢先、彼が載せていた動画を見ると
今どこにいるのか。誰といるのか。
何を食べているのか。何をしているのか。
写真であれば、明記されていなくても見たことがある場所から推測し、突き止めることができるらしい。
Instagram によって元彼の浮気を炙り出した友達に教えてもらったことがある。
誰といるかわかれば、その人のアカウントにまでお邪魔した方がいいらしい。
他に誰がいるのか具体的な場所まで突き止めることができる。
プライバシーのかけらもないが、そんな方法で相手の裏切りを知り、喧嘩の原因となったという話をよく聞く。
そんな怪しい写真をのっけるべきじゃないと言えば済む話なのだが……。
一度、私自身もSNSが原因で彼と喧嘩したことがある。
そんな複雑なことではない。
ある日の朝、“おはよう“というメッセージが届いてからその後、次の日の夕方まで連絡が取れなくなった。
日中に連絡が取れないことがあっても必ず家に帰ると、連絡をくれていた彼が連絡が取れない。
何か事情があったのかと心配した。
その日は連絡を待っていたが、待ちくびれて寝てしまった。
次の日の朝、目覚めてInstagramを開くと、そこには滅多に更新されない彼のアカウントが色づいていた。
すぐさま、チェックすると、そこには「お酒を飲みながら、大人数のグループで騒いでいる動画」があった。
「心配した気持ちを返せ」より、湧き出てきたのは嫉妬の感情で…
私は、一瞬で怒りと嫉妬の感情が込み上げてきた。
心配した気持ちを返せという怒りの気持ちと、自分といる時よりも楽しそうな彼の姿を見て嫉妬してしまったのだ。
その直後に、怒りのLINEを彼に送信した。
「心配したのになぜ連絡してくれなかったのか……」
後から考えると、なんと心が狭くて情けないのだと反省してしまう。
なんなら、私自身は飲みに行って帰っても、連絡したことがない。
彼の気持ちになってみると、全く理不尽な話だろう。
飲み会行って楽しんだだけなのに、怒られるのだから……。
私が完全に悪いのだが、可愛そうだ。
それでも、年上の優しい彼はすぐに電話をしてくれて謝ってくれた。
なぜあんなに怒りの沸点に達してしまったのだろうと今でも疑問に思う。
その日、SNSのフィルターがかかった状態の彼と現実の彼とのギャップに戸惑いを感じたのかもしれない。
今はSNSを初対面の人と交換するらしい。それは理想の姿では?
この話を思い出したついでに妹から聞いた話を思い出した。
それは、「最近の子は初対面の人とLINEではなく、Instagramのアカウントを交換し合う」ということだ。
「プライベートだけではなく、友達全体に発信するSNSで初対面の人の生活を知ることができる=その人のことを知ることができる」という理論が成り立っているのだろう。
確かに、一理あるとは思う。
しかし、それは相手の理想とする姿であると思う。
写真の中では、自分を偽ることができる。
この加工技術が誰でも使える時代なら特にである。
切り抜かれた外の世界を見ずに恋をしてしまうのは危険だ。
そして、SNSの世界だけの相手を信じてしまっても危険だ。
つまり、SNSというフィルターがかかった状態での恋はご法度だ。