中学2年の冬、私は不登校になった。それまでずっと「いい高校、いい大学、いい企業」と言っていた父が、何も言わなくなった。私はもう期待されていないのだなと痛感した。
毎日学校に行かなきゃとは思うけど行けなくて、将来のことなんて真っ暗で、私も私に期待することをやめていた。
中学卒業後、母の勧めで通信制の高校に進学した。父は相変わらず何も言わなかった。入学式の日、「私が私に期待しなくても、親なら誰よりも私のことを期待してよ」と、心の中で叫んでいた。その時初めて、自分は今の生活から変わりたいという感情があったのだと自覚した。
そこから必死に努力をした。勉強も部活も人一倍頑張った。無事に卒業式を迎え、卒業生代表として両親への感謝の手紙を読み上げた。
目に入ったのは、保護者席でわんわん泣いている両親の姿だった。父は期待するのをやめたのではなく、私のために黙っていてくれたのだ。それが父の優しさだったと気づいた。
何年も気づかなかったけれど、私への期待を失わずにいてくれて、本当にありがとう。