新型コロナウィルスが蔓延し、大学ではしばらくオンライン授業が行われることになった。今までの日常が全部ひっくり返って非日常に。不安でたまらない毎日だった。
当時、大学4年生だった私は就職活動や卒業論文など、やらなければならないことが多くあった。大学の友人には簡単に会えなくなった。SNSで連絡を取ることも出来たけど、「みんな忙しいだろうから」と連絡を取ることも徐々に少なくなった。
就活に苦戦し、下がっていく自己肯定感。双子の姉の内定も喜べない
多くの人々が苦難や困難と戦う中、私も就職活動に苦戦していた。
内定がなかなか決まらず、オンラインで説明会と面接を行う日々。現地に行かないことで出来ることは増えたけれど、友人にも会えず何処にも行けないまま、家にいることでストレスが溜まっていくのも確かだった。
10月頃になるとオンラインは解除され、学校だけでなく就職活動の面でも対面で行われることが多くなった。
友人は早々に就職活動を終えているのに、「どうして私だけ……」と焦る日々。私の就職活動が上手く行かないのはコロナのせいじゃないと薄々気付いていた。自己肯定感は下がっていくばかりだった。
私には双子の姉がいる。双子だと言うと大体の人が「比べられるの嫌じゃない?」と聞いてくるけど、私自身は比べられていると感じたことはなかった。何でも話せる友人のような存在で、かけがえのない家族だ。
そんな姉も私と同じように就職活動を始め、夏頃に内定が決まった。姉も就職活動で悩んでいることが多かったから、内定が決まったのは自分のことように嬉しかった。でもその一方で「どうして私は」と黒く渦巻くものもあった。
家族は一緒に対策を考えてくれて、何度も応援してくれた。それなのにひとつも成果が出せなくて落ち込んでばかり。自分が不甲斐なく感じた。姉のことを一緒に喜びたいのに、真っ直ぐに喜べないのが悔しかった。
不合格の結果に泣く私。ふと隣を見ると姉も同じように泣いていた
ある時、「絶対に受かりたい」と思える会社に出会った。もちろん、今までの会社も同じ気持ちではあったけど、同時に「でもダメかも」という気持ちの方が大きかった。
もしかしすると、こういった不安な気持ちが見抜かれていたのかなと思う。それでも、不安は見せずに挑もう。「絶対に受かる」という気持ちだけ見せていこうと企業研究から面接対策をしっかり取り組んだ。何日も何時間も、この会社のことだけを考えて過ごした。
結果は、不合格だった。
あぁ、私は何をやってもダメなのかもしれない。どうしてこんなに生きづらいんだろう。私の何がダメだったんだろう。目の前が暗くなって、道端で泣いてしまった。
隣には姉がいた。思えば、就職活動を行う中で泣いたのは初めてだった気がする。姉は何も言わなかった。
ふと隣を見ると姉も私と同じように泣いていた。そうしたら何だか笑えてきて、気づいたら泣き笑いみたいになった。
実際に「助けて」と言えた訳ではないけれど、この涙が私のSOSに見えていたのだと思う。ちゃんと泣けてよかったと今、振り返ってみても感じるのだ。