個人の体験から社会問題を考えるエッセイを投稿してくれている「かがみすと」の皆さんから、「社会問題をもっと勉強したい、インプットもしたい」という声からスタートした「かがみ学びタイム」。5回目の開催となる今回のテーマは「声をあげて社会を変えるということ」。ゲストにarcaの辻愛沙子さんをお迎えしました。

arcaの辻愛沙子さん(右)とかがみよかがみ編集長の伊藤あかり

始めに、辻さん自身が社会に対して声をあげてきた例を、過去に手がけた広告や展示物などとともに紹介。声をあげるときの心境について、「私だけなんじゃないか」「こんなことを言う私がわがままなのかな」と不安になることもあるといいます。
ですが、「名もなき家事」や「生理の貧困」などを例に「問題や声が可視化されることで、ひとりじゃないと気づかせることができる。もやっとしたことがあった時に、言葉にすることが大事なのかなと思います」と話しました。

実際に1人の声から社会を変えた例についても紹介しました。例えば、2016年の「保育園落ちた日本死ね!!!」のブログ。1人の母親の声が、多くの支持を集め社会現象となり、国会議員がとりあげて国を動かすまでになりました。この声がきっかけで、待機児童が減り、保育の受け皿の定数も増えました。

「このブログを書いた人も、始めから国会に届くと思って書いたわけではないと思うんです。何が社会の変化の分岐点になるかはわからない。だからこそ、何かしら意思表示する必要があるのかなと思います」

反戦を叫んだところで、戦争がとまるわけでもない。だけど

辻さんは、ウクライナ侵攻があった際、東京・新宿で15000人が反戦のプラカードを持って集まった時のことを振り返りました。

「反戦を叫んだところで、戦争がとまるわけでもない。寄付も自己満足かもしれない。だけど、この時代に、これだけの人が『NO WAR』と示したことが、時代の分岐点になるかもしれない。5年後、10年後、私たちの国が戦争に加担することがあるなら、これだけの人が反戦を表明していると写真に残すことは意味があるのかなと思いました」

きちんと自分の言葉を刻んでいくことが重要。抗いが時代をつくる

辻さんは「微力は決して無力ではない」と話します。時代が進んでいかない、変わらないと思う気持ちもある一方で「ちゃんと抗っていくこと」そして、「きちんと声を残すこと」が今必要とされていると言います。「たくさんの声の中の一つになるかもしれないけど、それでいい、それがいい。バズや発信力を目指す必要はなくて、むしろ沢山の声が同じ時代に存在していることに意味があると思うんです。きちんと自分の言葉を、石板に刻むように残していくことが重要。この痛みはなかったことにはさせない。抗いことが時代を作ってきたとも言えると思うんです」

最後に、声をあげるうえで大事にしていることを教えてくれました。

違和感を無視しないこと
胸を張って言い続けること
ちゃんと休むこと
誰かひとりに頼らない/託さないこと
自分の声を信じること
学び、考え続けること

「声をあげるときに、『私の発信力じゃ誰にも届かない。無意味だ』と思ってしまう気持ちもわかります。だけど、大事なのは声の大小じゃない。1人の声が連鎖して、社会を変えていくのかなと思うんです。だからこそ、「いつか誰かがやってくれるだろう」「あの人がまた何か発信してくれるはず」と"誰か"に託さない。自分の声を信じてほしい。
声をあげる人がいて、それを記事にする人がいて、国会に届ける人がいる。最初の『声』をあげる人がいないと、何もできない。だからこそ、これからも『声』をあげて、社会を変えていきましょう」と話しました。

次回のかがみ学びタイムは本日開催!

vol.6 自分の快感とどう向き合う?(ゲスト:西本美沙さん)

【学べること】
・セクシャルウェルネスとは?
・女性の性のお悩みってどんなものがあるの?
・女性自身が自分の快感と向き合うにはどうしたらいい?
・おすすめフェムテックアイテム

ゲスト:西本美沙さん

ランドリーボックス代表西本美沙さん

ランドリーボックス 代表取締役
大学卒業後、PR会社を経て2011年にドワンゴ入社。広報・宣伝業務を担当。会社員の傍ら始めたブログをきっかけに、女性の体や性を取り巻く環境に対する関心が高まり、ウェブメディア「ランドリーガール」を開設。2019年、ランドリーボックスを設立した。「あらゆるワタシに選択肢を」をビジョンに生理やセクシャルウェルネスなど女性が抱える悩みに特化したプラットフォーム「ランドリーボックス」を運営するほか、リアルな声を起点とした企業向けのマーケティング支援やコンテンツ制作事業を展開している。

「かがみ学びタイム」今後の予定

①6月2日 ウクライナ侵攻を解説!(GLOBE+副編集長 関根和弘さん)
②6月16日 スポーツと女性のエンパワーを語ろう!(朝日新聞記者 伊木緑さん)
③6月30日 なんで日本には女性議員が少ないの?(朝日新聞記者 三輪さち子さん)    
④7月14日 自分のからだを好きにならなきゃいけないの?(withnews編集長 水野梓さん)      
⑤8月4日 声をあげて社会を変えるということ(arcaCEO 辻愛沙子さん)
⑥9月1日 自分の快感と向き合おう(ランドリーボックス代表 西本美沙さん)
今年10月11日の国際ガールズデーに向けて、6月から隔週木曜日に開催予定です。(予告なく変更になる可能性がございます)

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